2023天皇賞秋 注目馬考察

2023天皇賞秋登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
イクイノックスvsドウデュースが久々に実現。他にもハイレベルなメンバーが揃っており楽しみなレース。

イクイノックス
国内外のGⅠを4連勝中。この実績だけで天皇賞秋において当然に有力候補となる。
キャリア8戦オール連対であり、どの条件でも走れてしまう。ベストの条件は不明確も、天皇賞秋の東京2000mも対応可能範囲といえる。なんといっても実際に前年の天皇賞秋を勝っている。
前年の天皇賞秋ではパンサラッサが大逃げをしたため、記録上のラップとしては速くなっているが、2番手以降はスローペースで上がり比べの様相だった。32.7の上がりを使ったイクイノックスが突き抜けたという形である。そのため、2000mにおいて、仮に序盤から速いペースを追走する展開となった場合に、これまで通りに対応できるかが未知といえば未知。2000mはイクイノックスが好走してきたGⅠの中では皐月賞と並んで最も短い距離ではある。

ドウデュース
前年のダービーではイクイノックスを抑えて勝利。ダービーの2400mから天皇賞秋では2000mと条件が変化するが、この距離も何ら問題ないと思われ、当然に高い評価が必要となる。
むしろ2000mの時計の出る馬場であれば、ドウデュースの方がイクイノックスよりも適性が上という可能性もある。というのも、ドウデュースは2歳時に朝日杯FSを使っており、しかもこれを勝っている。朝日杯FSを選んだことから、ダービーにおいてはドウデュースの距離適性を不安視したと思う。その不安は結果として杞憂で、ドウデュースは幅広い距離適性をもっていたわけだが、1600mをこなした実績がある点からスピード面で優位という捉え方もありうる。
気になるのは臨戦過程。4歳初戦の京都記念では0.6秒差で圧勝し、あらためて高い能力を示したが、前走のドバイターフは跛行で取消。海外が鬼門になっている感もあるが、天皇賞秋はそれ以来の出走となる。これだけ間隔が空くのは初めてであり、状態面に関して一抹の不安はある。

プログノーシス
今年に入って充実一途。金鯱賞で重賞初勝利をあげるとQE2世Cでも2着。さらには前走の札幌記念においては2着に0.7秒差をつける圧勝となった。もともと上がり33秒台を使うことの多い馬だったため、勝ち時計2.01.5の特殊な馬場状態となった札幌記念で、あれほどの強い勝ち方をしたのには驚かされた。
札幌記念勝利によって、GⅡにおいては、自身の上がりが33.9の金鯱賞と36.0の札幌記念という、条件的に全然違うレースで好走する能力が証明されたことになる。幅広い適性をもつタイプとも解釈できるが、他方で、GⅡなら条件不問の能力、すなわち上のGⅠでも通用しうる能力があるという期待もできる。東京コースが初めてということも含め、天皇賞秋のメンバーを相手に通用するかは未知としておきたいが、近走の充実ぶりから楽しみはある。

スターズオンアース
前年の2冠牝馬だが、今年の春は大阪杯において、上がり最速で2着に好走。牡馬相手のGⅠでも通用するところを示した。ただ、冠は同じでも、やはり天皇賞秋の方がメンバーは揃った感。スターズオンアースにとっては、あらためて試金石の一戦となるかもしれない。
適性面に関しては、前年の牝馬三冠すべてで好走しただけあって、東京2000m自体は問題ないと見込まれる。速い上がりでも結果を残してきているが、天皇賞秋においては、例えば前年のように、これまで以上の末脚を求められるパターンもありうる。

ダノンベルーガ
イクイノックス、ドウデュースには及ばなかったものの、前年のクラシックを盛り上げた1頭。
おそらくダノンベルーガの最大の適性は東京2000mもしくは1800m。すなわち、この天皇賞秋がGⅠでは最も期待できる舞台と思われる。
前年の天皇賞秋では上がり32.8を使って3着に好走したが、イクイノックスには切れ負け、逃げたパンサラッサには届かなかった。適性の見込める舞台とはいえGⅠで勝ち切れるかとなると、ワンパンチ足りない印象は残るが、全く太刀打ちできないなどということはないはずで、乗り方次第で望みはあってよい。今年も好走を期待できてよい1頭と思われる。

 

ジャックドール
春は大阪杯で逃げ切ってGⅠ初制覇。初めての2000m以外となった安田記念でも5着に頑張った。
速い時計には対応できる下地はあるが、切れ味勝負となると分が悪そうな印象がある。とはいえ、前年の天皇賞秋において、迫力に欠けるところはありつつも4着に好走できているので、イメージよりは対応できるかもしれない。機動力を生かせる程度、及び、状態面に関して、総合的に前年より上積みが期待できるか検討したい。

ジャスティンパレス
天皇賞春を勝ったこともあり、今ではステイヤーの印象が強くなってしまったが、前年秋には神戸新聞杯で2.11.1の時計で圧勝している。長距離専用ではなく中距離もこなすことができ、実際に前走の宝塚記念においても3着に好走している。
ただ、確かに2200mの適性はあるが、2000mとなると未知な部分が多い。2000mを使っていたのは皐月賞までで、ダービー以降はそれより長い距離ばかり。2歳時にホープフルS2着の実績があるため、2000mもこなせる期待もあるが、このときは時計のかかり気味な馬場であったことには注意したい。
また、ジャスティンパレスは、これまで上がり33秒台を使ったことがない。この点は東京の天皇賞秋に向けて不安を感じさせる部分である。
距離も上がりも経験に欠けるだけで、結果として対応できる可能性はあるが、実績的には今回の条件とのズレを感じさせる。

ガイアフォース
前走のオールカマーでは5着と好走することができなかった。1600mを使った後の再度の2200mで、当日のやや時計のかかる馬場状態もマイナスに働いたものと思われる。
オールカマーのパフォーマンスからは、2200mの距離なら仮に時計の出る馬場であっても、GⅠでは期待しづらいという印象となったが、天皇賞秋の2000mならどうかが問題となる。
春は1600mを使っており、マイラーズCで2着に好走。さらにはGⅠの安田記念においても4着に好走した。1600mで結果を残したのに対し、現状はオープンでは2000mの経験がなく適性は未知となるが、一方で2000mがベストという可能性も否定しきれない。実は2000mの方が合っているようなことがあり、安田記念以上のパフォーマンスを引き出せるようであれば、侮れない存在になるかもしれない。

何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。