お盆休み最終日に台風。居住地域は概ねたいした天候不順はないですが、大変なことになっている地域もあるようで。皆様のご無事をお祈り申し上げます。
2023札幌記念登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。札幌はこのままなら雨の影響を受ける可能性は低そうだろうか。今年も好メンバーが集まった。
ジャックドール
前々走の大阪杯で待望のGⅠタイトル奪取。札幌記念は前年に制したレースでもあり、能力的にもリピーターという意味でも、高い評価が必要な馬となる。
その前年の札幌記念においては、同型パンサラッサの存在、馬場適性といった懸念点があげられたが、結果は満点回答。行く馬を行かせて控えた上で、直線では粘るパンサラッサを捕えて勝利となった。
前々走の大阪杯を逃げ切っているように、依然としてベストは逃げかもしれないが、レースの組み立ての幅があるという点では信頼しやすい。
シャフリヤール
ダービー勝利、ジャパンカップでも2度の好走があるように、東京2400mのイメージが強い。1800mも毎日杯で速い時計で勝っていることから、2000mの距離は問題なくこなせそうではあるが、毎日杯にしても直線の長い阪神外回り。直線の短いコースの経験がなく、札幌コースをこなせるかが不安材料となりうる。
もっとも、経験がないだけでやってみたらこなせた、となる可能性は否定しきれない。過去の札幌記念においては、ハープスター、サングレーザーといった長い直線で末脚を発揮するイメージの馬の勝利もある。
ダノンベルーガ
前年の天皇賞秋で3着に好走。4歳を迎え今後GⅠを狙えるだけの実績をもつ馬。2400mとなると少しパフォーマンスを落とす感じだが、2000mは遺憾なく能力を発揮できる距離である。
問題はシャフリヤールと類似で札幌コースに適応できるかどうかということ。上記以外にも共同通信杯完勝があり、ダノンベルーガは東京向きの印象がある。
とはいえ、少ない経験ながら皐月賞での4着好走があり、小回りコースも案外こなせるという期待をもつことはできる。皐月賞では外の方が伸びやすい中で、ダノンベルーガは内を回っており、内容的には評価できるものである。当時は先行し、前も開いていたので、馬群が密集した場合への対応力は未知。
プログノーシス
前々走の金鯱賞において上がり最速で勝利。金鯱賞においては、位置取りが悪くなりがちなことが懸念材料として考えられたが、結局このときも後方からのレースとなった。差し切れたのは能力の高さによるものと思われるが、出走頭数が12頭に留まったこともプラスだったかもしれない。
札幌は直線が短く、展開によるものの、同じレース運びでは不安も生じうる。前走のQE2世C2着も含め、能力的には札幌記念で通用してよく、上昇度も期待できるが、直線を向いた時点で間に合う位置にいられるかが課題。
ヒシイグアス
体調管理に難のある馬。今年の春には体調不良で海外遠征が見送りとなった。また、後付けとなってしまうが、前走の大阪杯7着に関しても、18kの馬体減は体調の問題を表していたのかもしれない。
実績的には前年の宝塚記念2着好走があり、今年も中山記念を勝利。札幌2000mに関しては、コース、距離ともに適応できることが見込まれる。能力を発揮できる状態にあれば、ここで通用するはず。
状態面に関しては正直不明。前年の宝塚記念の後には熱中症に罹患したという背景もあり、暑い時期にはいいイメージをもちづらい気もするが。
ソーヴァリアント
チャレンジCにおいて2度強い勝ち方をしている。両レースのラップ構成は性質を異にするもので、その中でともに高いパフォーマンスを見せている点は、能力の高さを感じさせる。血統も加味すると、札幌2000mでは、あるいはそれ以上のパフォーマンスを出せても不思議ではない。下級条件のものではあるが札幌は2戦2勝。実績自体は相対的に劣るが高いポテンシャルを秘めていそう。
とはいえ、近2戦は不可解な大敗続き。特に前走の鳴尾記念は12着はマイナス評価とせざるをえない。
もともと人気先行のきらいのある馬だが、近走の結果により、札幌記念ではだいぶ人気を落とす可能性もある。能力的にはオッズ次第で楽しみのある1頭となるが、状態面に関しての不安は消せない。
マテンロウレオ
近2戦はGⅠで健闘。大阪杯4着、天皇賞春5着と掲示板を確保している。このうち札幌記念に向けて参考度の高いのは大阪杯の方であろう。
大阪杯ではうまく立ち回ったが、今回も顔を合わせるジャックドールにはやはり分の悪そうな内容ではある。ただ、このときは勝ち時計が1.57.4と速め。1.57.8で駆けたマテンロウレオも自身の持ち時計を更新している。当時より時計がかかると見込まれることで差を詰められるかという点、及び、この期間の成長の多寡が浮上の鍵を握りそう。
ラーグルフ
年明けの中山金杯を勝つと続くGⅡ中山記念でも2着に好走。前走の大阪杯では11着に終わったが、能力的に通用しなかったかもしれないし、馬体重が10k減っていたように初めての関西への輸送の影響があったのかもしれない。札幌記念は仕切り直しの一戦となる。
今回のメンバーに入ると実績面では上位勢に及ばないが、ラーグルフ自身も中山記念で好走しているように侮れない馬ではある。不透明ながら仮に4歳での成長があれば期待は増す。
中山で結果を残しているように、コース的には札幌2000mは向いてよい。
ウインマリリン
前年の札幌記念で3着に好走。その後はエリザベス女王杯2着、香港ヴァーズ1着とGⅠで結果を残した。
前年の札幌記念では強力メンバーが揃う中でよく食らいついたが、それでもジャックドールには若干分の悪そうな内容。逆転を望むには多少の地力強化がほしいかといったところ。その面では近走の成績が大局的に上り調子なのはよいが、他方で年齢的には6歳。3歳から活躍しているだけに、よい状態を維持し続けられるかが問題となる。
何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。