2024中山記念 注目馬考察

2024中山記念登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
2回中山の開幕週だが週末は雨予報も。一日通して降る予報ではなく、現時点で馬場状態を想像することは難しいが、道悪適性が不明な馬も多く、天候次第で難解さが増す。

ソールオリエンス
前年の皐月賞馬。中山記念は有馬記念8着から仕切り直しの一戦となる。能力的にここなら当然通用してよいが、距離経験が2000m以上に寄る中で1800mへの適性が課題となりうる。
とはいえ、過去の中山記念では、近い臨戦過程でヴィクトワールピサが完勝。この馬も唯一の死角が1800mだったが苦にすることはなく、ソールオリエンスに関しても、それほど気にしなくてよいかもしれない。ただ両者を比較すると今のところ総合的には劣る。
皐月賞は重馬場で制しており、距離が短い不安を相殺する面でも、ソールオリエンスにとっては雨の影響が及んだ方が適応しやすそうな感じがする。

ヒシイグアス
前年を含め過去に中山記念を2勝。コース適性として大きな強調材料と思われる。
ヒシイグアスはレース数の少ない馬だが8歳を迎え、前年と同様のパフォーマンスを発揮できるかが気がかり。とはいえ、前走の香港Cでは3着。国内の近3戦に関しても、それぞれ敗因があげられ、中山記念に向けて必ずしもマイナス材料となるものではない。実際のレースの中で衰えが明確になっていない以上、年齢による見限りは危険と考えられる。
一方で、前年と比べて斤量が増えるのは単純にマイナス材料と思われる。
道悪適性に関しては、前年の札幌記念5着から、まったくダメというわけでもないが、とはいえ前と離された原因は馬場にあり得意とはいえない。

エルトンバローズ
前々走にて3歳馬の身で毎日王冠を制すると、前走はマイルCSにおいても4着に好走した。上昇度が高く、今年を占う意味でも、いいスタートを切りたいところであろう。
中山記念の中山1800mに関しては、ラジオNIKKEI賞でコーナー4回の1800mを勝っており、一定の適性があると考えられる。
エルトンバローズは切れ味を身上とするタイプでもないが道悪適性は不明。信頼性という点では雨が降らない方がよさそうか。

ソーヴァリアント
チャレンジC連覇の実績があり、もともと2000mの馬と思っていたが、近走は1600mを使っている。前走のマイルCSは12着。前々走の富士Sでは3着に頑張ったが、やはり本来はもう少し距離があった方がよさそうな印象も受けた。
1800mと2000mのどちらが合うか分からないが、前走からの距離延長はプラスに働いてよいのではないかと思われる。
道悪適性に関しては、3走前の札幌記念で3着だが、とりあえずはヒシイグアスと同レベルで得意とまではいえないとしておきたい。
なお、前年の中山記念においてソーヴァリアントは9着。おそらく適性以外の理由があり、これも含めて理に適わない結果に終わる場面が見られるようになっている。安定感の面で信頼はしづらい。

レッドモンレーヴ
京王杯SC1着、富士S2着の実績があり、GⅡであれば通用するだけの能力がある。現状は脚を溜めて爆発させることで高いパフォーマンスを発揮している。
それだけに1800mへの距離延長、中山へのコース替わりがマイナスに働くおそれがある。ダービー卿CTで上がり最速を記録しているように、中山自体はイメージよりこなしそうだが、勝負処で脚を残せるかが問題となる。
道悪も経験がないため適性は未知。プログノーシスのようなパターンも確かにあるが、イメージ的にはこれまで見せてきた切れ味が削がれるのは望ましくないように思える。

 

ジオグリフ
2年前の皐月賞馬も近況としてはレースの使い方が迷走している感がある。前年1年はダートを中心に使っていた中で、ここにきて芝への出走となる。
前回芝を使ったのが宝塚記念9着。通用はしていないが、GⅠで距離も2200mだったことから、これをもって中山記念で減点する必要はない。
札幌2歳S、皐月賞のパフォーマンスからは、中山1800mへの適性は期待できそうではある。中山記念のレベルに通用するのか、ジオグリフの現在地は分からなくなってしまっているが、馬の元来もっている格の面では通用してよい。
もっとも、仮に中山記念で好走するようだと、これまでの使い方の不可解さが増すことになるが。

ラーグルフ
前年の中山記念では2着に好走。その後3戦は結果が出ず再び中山記念に臨むことになるが、3戦とも敗因があり巻き返しを期待することができる。
しかし、札幌記念とAJCCに関しては、その敗因が馬場状態。中山記念でも道悪になるおそれがあり、その場合は期待度としては下がってしまう。一方で、これらはともに休養明けでのものでもあった。消耗戦になっても臨戦過程的に当時より粘りが利きやすくなるということも考えられる。

イルーシヴパンサー
東京新聞杯を勝ったときのように、かつては軽い馬場でスピード、切れ味を発揮するタイプだったが、前々走の富士Sでは速い勝ち時計が出る中でパフォーマンスを落とすなど、以前とは適性が変わってきている印象もある。
衰えと解釈することもできるかもしれないが、現状であれば1800mへの距離延長がプラスに働く可能性も期待できる。
前年の中山記念では8着だったが、直線で内を狙って狭くなったためノーカウント扱いとできる。あらためて中山への適性は未知。
スピード値が下がってきているという仮説に基づくと、道悪になったとしてもマイナスばかりでもないか。ただ、1800mの経験自体が多くなく、その中でスタミナの要求度が増えると考えると微妙かもしれない。

ドーブネ
前年の中山記念で3着に好走。しかし以降は勝ち星こそあるが、それほど強い内容は見せられていない。1600mに距離を短縮して連勝したが、前走の京都金杯では14着に大敗。1600mと1800mのどちらがよいのか定められなくなってきたが、距離よりもペースがポイントなのかもしれない。
前走は入りが速く上がりもかかっており、先行したドーブネには厳しいところがあったと思われる。斤量も58.5kだった。中山記念では距離延長効果によりペースは緩くなってよく斤量も57kに減る。メンバーは強くなるがドーブネ自身は前走よりも能力を発揮できる期待がある。
自身のレースを展開するのに向けては、メンバー間の兼合いが課題となりうる。また、前走も消耗戦で脆さを見せていることから道悪にいいイメージはもちづらいか。

何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。