2024日経新春杯 注目馬考察

2024日経新春杯登録馬の考察。枠順確定前時点の考察となる。

サトノグランツ
神戸新聞杯を勝って臨んだ菊花賞では3人気に支持されたものの10着。GⅠでは足りなかったのか距離が長かったのか、といったところだが、日経新春杯は仕切り直しの一戦となる。
サトノグランツの主な実績は京都新聞杯1着と神戸新聞杯1着。京都新聞杯と同じ京都、神戸新聞杯と同じ2400mで行われる日経新春杯において巻き返しを期待できる材料と思われる。
ただし、両レースはともにスローで上がり勝負を制したもの。サトノグランツの使った上がりはそれぞれ33.3、33.1。これとは異なる展開や馬場となった場合にどうなるかは未知な部分はある。
なお斤量は明け4歳馬の中では最も重く57.5kとなる。

サヴォーナ
前走の菊花賞では5着と掲示板を確保。ドゥレッツァのパフォーマンスが抜けており、着順ほどの評価はできないと思うが、サヴォーナは道中で後方から先団まで捲る積極的な動きを見せており、通用しなかったなりに見せ場を作ったという感じはする。3000mへの距離延長がプラスに働いたのかは分からないが少なくともマイナスに働いたわけではなさそうに思える。
日経新春杯と同じ2400mだった前々走の神戸新聞杯では2着に好走。これはこれで一定の評価は必要だが、内容的にサトノグランツには見劣りする。対サトノグランツという観点では、馬場的にスタミナを要求された方が浮上の期待が大きくなると思われる。

ハーツコンチェルト
ダービーでは3着に好走したが、秋は神戸新聞杯5着、菊花賞6着。日経新春杯は京都コースということで、秋の2戦の方が参考度が高いだろうか。
もっとも神戸新聞杯は5着とはいえ0.1秒差。日経新春杯に向けては評価できる。ただ、神戸新聞杯に関しては、サヴォーナと類似の事情で、サトノグランツに切れ負けしたような印象は残る。
そのため、対サトノグランツで考えるなら、時計や上がりのかかる馬場となった方が上回れる期待が高まるが、一方でハーツコンチェルト自身の最大実績であるダービー3着は軽い馬場でのものでもある。自身の能力を発揮できる条件かを優先的に考えた方がよいかもしれない。

リビアングラス
前々走の菊花賞では一旦3番手に控えた後、早めに先頭に立つというレース運びで4着。ドゥレッツァには早めに交わされてしまったものの、その後も粘っており、見せ場はあったと思われる。
しかし、前走のグレイトフルSでは7着と不可解な負け方。控えたことがマイナスに働いたのか中山が合わなかったのか、といったことが考えられるが、信頼度としては下がってしまった。
京都新聞杯3着もある京都へのコース替わりはプラスに働いてよく、自分のレースをできるかがポイントとなりそう。

ブローザホーン
何故かこの馬が出走するときは馬場が悪化することが多く、その中で勝ち上がってきている。重賞は函館記念において稍重で勝ち時計が2.01.4とかかる中で3着に好走した実績がある。
函館記念では後方からのレース運びとなっており、実績自体も2000mよりも長い距離が多い。仮に近い馬場状態になれば、2400mの日経新春杯においては、函館記念以上のパフォーマンスを期待することができる。
前走の京都大賞典も重馬場で、まさにそうした状況にあったわけだが、心房細動により競走中止。これ自体はおそらく一過性で短期間でレースに復帰することからもクリティカルな問題ではないと見込まれる。日経新春杯で仕切り直したいところかと思われるが、馬場状態が特に重要な馬といえるであろう。ブローザホーンがこれまでのキャリアで使ってきた上がりを眺めると、現代では珍しい数値の並びとなっており、時計の出る良馬場への適応力がどの程度なのか想像しづらい。

 

レッドバリエンテ
前走のアルゼンチン共和国杯で重賞に初挑戦し7着。足りない結果ではあったが、着差としては0.4秒で、それなりに食らいついたと捉えることもできる。
また、アルゼンチン共和国杯の勝ち時計は2.29.9と速かったため、時計面の問題という可能性も考えられる。日経新春杯の馬場次第では、前走だけで見限るのは危険かもしれない。
レッドバリエンテは4走前に重馬場で圧勝。2勝クラスの実績であり、日経新春杯に向けて強調できるものではないが、前走よりも時計のかかる馬場となった場合にプラスに働くことを期待する要素とはなりうる。

ハーツイストワール
前走のアルゼンチン共和国杯では後方からレースを進めて6着だったが、直線では一瞬前を飲み込むかという勢いがあった。最後に脚が鈍ったのは長期休養明けによるものと解釈することができ、8歳馬ながら叩いた上積みを期待することができる。
重賞での好走経験もある東京のイメージが強い馬だが、札幌日経オープン勝利もあり、適性の幅は意外と広めとも思える。初コースとなる京都をこなせるかどうかだが、関西圏の経験の少なさも気になるところ。

ディアスティマ
前年は日経賞3着、目黒記念2着と重賞で馬券に絡んでいる。両レースは求められる適性の異なるレース。ディアスティマは幅広い条件に対応できる適性をもっていると捉えることができる。日経新春杯では能力面でも適性面でも足りうる存在と思われる。
とはいえ安定感はなく、そのことが最大の適性がどこにあるのかを分かりづらくしている側面もある。前走のアルゼンチン共和国杯では行きっぷりが悪く中団からのレースで大敗。まずは自分のレースを組み立てられるかが問題となる。

カレンルシェルブル
近走はずっと2000mばかり使ってきていたが、久々に2400mへの距離延長となる。
2000mではローカルGⅢで少し足りない結果に終わることが多いが、一因としては位置取りの悪さがあげられる。特に近3走の入りは34秒台。時計のかかった前々走の福島記念では3着に好走できたものの、こうした流れがカレンルシェルブルに合わない可能性が考えられる。
したがって日経新春杯においては距離延長により流れに乗りやすくなることを期待する手はある。格的に通用するに至るかという懸念はあるが近走からの前進はあってよいかと思える。

何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。