2023皐月賞登録馬の考察。枠順確定前のものとなる。
ソールオリエンス
前走の京成杯は直線に入るところで外に膨らみながらも強烈な瞬発力で勝利。終わってみれば2着に0.4秒差をつける完勝だった。ビジョン的にはドゥラメンテの皐月賞を思い出させる。
ポテンシャルを示す反面、粗削りとも不器用とも感じられ、小回り適性には疑問もある。確かに京成杯は皐月賞と同じ中山2000mだが、頭数は9頭立てだった。一気に頭数が増えるという点と、メンバー強化により能力だけでなんとかなるかという点が課題となる。
また、前走の入りは37.6と遅く、前半から流れた場合の対応力は未知となる。
ファントムシーフ
前走の共同通信杯を勝利。ラップ的には強烈なものではないが、先行策からきっちりと抜け出しており操縦性は高そう。
この内容だけなら中山に不安はないが、ファントムシーフが僅差とはいえ唯一黒星を喫したのが中山2000mのホープフルSであることは少し気になる。2戦目の野路菊Sのレース全体の上がりは33.8で、前走の共同通信杯では34.1。対してホープフルSは35.0。ホープフルSでは他の3戦より位置取りが後ろだったことが原因の可能性もあるが、数値的には上がりを要することがマイナスに働くおそれもある。
フリームファクシ
4戦4連対と底を見せていない魅力がある。前走のきさらぎ賞では2着のオープンファイアの末脚の方が目立ったが、それでも勝ち切っており、また3着には0.6秒差をつけている。オープンファイアとともにこのメンバーでは抜けた能力があったと解釈できる。
フリームファクシは新馬戦が逃げ切りだった他、近3戦はいずれも少頭数。多頭数で出入りが激しくなったような場合に適応できるかが課題となりうる。
タスティエーラ
前々走の共同通信杯では4着に好走したものの内容面での強調材料は薄かったが、前走の弥生賞では巻き返して勝利。トップナイフに0.2秒をつけて勝ち切ったことは評価したい。一方で弥生賞においても強烈な内容というわけではなく、現状では皐月賞に通用して不思議ない実績はあるものの堅実さが売りという印象もある。
タッチウッド
前走の共同通信杯ではスタートで出負けしたものの途中から先頭を奪って2着に好走。勝ったのが先行していたファントムシーフで、上がり最速を使ったダノンザタイガーが届いていなかったことから、強引にも見えたこの動きは必ずしも悪くなかったように思える。一方で、馬込みの中で我慢する経験を積むことはできなかったので、皐月賞においては逃げなかった場合が課題となる。スタートが決まれば中山へのコース替わりがプラスに働く期待はもてる。
ベラジオオペラ
3戦3勝で底を見せていない。前走のスプリングSを制しての参戦となるが、スプリングSは重馬場だったため、皐月賞が良馬場開催となった場合には参考度は低め。
ベラジオオペラはこれまで1800mしか経験しておらず、2000mに適応できるかが問題となる。前走が重馬場適性による比重がそれほどでなければ、スタミナ面では2000mに適応できてよさそうに思えるが、速い上がりでも勝ってきたこともあり、時計の出やすい馬場になった方が適応しやすいかもしれない。
トップナイフ
ホープフルSはほぼ勝ったようにも見えたが僅かにドゥラエレーデに遅れて2着。前走の弥生賞では内の狭いところからしぶとく伸びて2着。立ち回りの巧さは中山向きという印象だが、ラップ的には強調材料に欠ける。他馬との力関係が問題となるのとともに、好走するには展開に恵まれたいところとなる。
ダノンタッチダウン
朝日杯FSで2着に好走した実績があるが、これまでの3戦は全て1600m。2000mは未知で、こなせないと決めつけるのもよくないが、とはいえやはり不安材料ではある。前年3着のドウデュースも弥生賞で2000mを経験していたし、デビュー戦では1800mを使っていた。
ホウオウビスケッツ
前走のスプリングSでは2着。前走は重馬場を味方にしたものかもしれないし、純粋に能力があったということかもしれない。未知な部分は多いが人気次第では面白さはあるかもしれない。
デビューから2戦逃げて勝ってきたが、前走では揉まれなかったとはいえ控えて結果を出した点に関しては、一定の収穫があったと考えられる。
マイネルラウレア
若駒Sではスローペースとなったが、不器用な動きながら後方から上がり33.7で差し切って勝利。2着だったワンダイレクトが弥生賞でも3着に健闘していることを考えれば、ポテンシャル的にはマイネルラウレアは侮れないものをもっている。レースぶりや血統を考えると、上がりがかかる馬場、展開となることでパフォーマンスが上がるかもしれない。
とはいえ、多頭数の経験はなく、何より順調にレースを使えていない点は不安材料と思われる。