2023金鯱賞 注目馬考察

2023金鯱賞登録馬の考察。開幕週につき、どういう馬場状態になっているかが気になるが、参考として前開催においてはシルクロードSの勝ち時計が1.07.3が出るなど速い時計が出ていた。前開催の影響による芝の傷みが時計に反映され始めるか、それともメンテナンスにより引き続き速い時計が出るか。

マリアエレーナ
3走前の小倉記念の勝ち方が秀逸。このときの勝ち時計が1.57.4で、スピードを生かせる状況となることでパフォーマンスを上げると考えられる。
前走の愛知杯では3着に留まったが、56.5kの斤量を課されたのに加え重馬場だった。アートハウスの上がりが33.9で、マリアエレーナも上がり34.4を使えているように、発表ほど顕著に馬場が悪かったのか微妙なところはあるが、マリアエレーナにとって現状のベストの条件ではなかったものと思われる。
今回は牡馬混合のGⅡとなるが、馬場状態がマッチすれば巻き返しの期待をもつことができる。

プログノーシス
5歳馬だがまだ7戦しかしておらず、いずれのレースにおいても好走しており、底を見せていない魅力がある。
前走の中日新聞杯においては、スローペースとなったが、後方からメンバー断トツの上がり33.2を使って4着に好走。強い内容であり、例えば展開の後押しがあれば、クラスが上がっても通用してよいだけのものがある。
気になるのは前々走こそ中団からのレースをしていたが、最後方近くの位置取りになってしまうことが多いこと。スタートが悪いというより前走は意図的に下げたようにも見える。折り合い面に課題があるのかもしれない。

 

フェーングロッテン
前走の中山金杯では逃げて3着に好走。内容的には可もなく不可もなくという感じで、GⅡに向けて強調できるほどの材料はない。GⅢに通用する能力は証明済みなので、積極的に推奨というよりは他馬との比較で浮上しうる、といったところだろうか。
期待できる要素としては、明け4歳馬で目に見えない成長で突破してくる、ということが考えられる。

ポタジェ
前年のGⅠ大阪杯を勝った実績には敬意を払いたいが、それでもGⅠ馬の中では格付けが低いかという印象。
前年の金鯱賞においても上がり最速の脚を使い4着まで差を詰めているように、少なくともGⅡレベルはあってよいとみなせるが、やはり59kの斤量が課題となる。

ヤマニンサルバム
前走の白富士Sは3着で、実績的には劣るが、ヤマニンサルバムの魅力は中京実績であろう。全4勝を中京であげているとともに中京は4戦4勝。
強烈な勢いが感じられるというほどではなく、GⅡの金鯱賞は試金石の一戦となるが、中京において底を見せていない点には注意したい。

ディープモンスター
ここにきて丹頂S、アンドロメダS、関門橋Sと3戦連続で連対。クラシックでもそこそこ頑張っていた馬で、やはり能力はある。
意外に感じたのは前走の関門橋S。レッドベルオーブが大逃げした中で、1.57.9の時計で完勝したのは、当初のディープモンスターの印象と異なるものだった。思ったより適性の幅が広いのかもしれない。
一方で、仮に関門橋Sの勝利が、成長により適性のズレを埋めたということであれば、状況次第で上のクラスでも通用する期待をもてる。

アラタ
近走は一貫してコーナー4つの2000mを使っている。陣営の意図と感じられ、実際にそれなりの結果を残している。
福島記念3着、中山金杯4着と、安定勢力ながらGⅡで期待するには一押し足りない印象も受けるが、好メンバーの揃った札幌記念でも4着に食らいついている点は評価できる。
アラタが出走するレースは時計がかかり気味なことが多く、仮に速くなった場合にはどちらに転ぶか未知。

ハヤヤッコ
重賞制覇を果たした前年の函館記念は重馬場だったが、道悪専用機というわけではなさそうで、前々走の中日新聞杯でも5着に好走している。
中日新聞杯は7着馬まで0.2秒差にひしめく混戦であり、ハヤヤッコはプログノーシスのような目立ったパフォーマンスを発揮したわけではないが、このときは57.5kを背負わされていた。金鯱賞においてプログノーシスを評価するならハヤヤッコも侮れない、という考え方は成立しうる。
なお、ハヤヤッコもアラタと同様に速い時計の経験に欠けるところがある。

ルビーカサブランカ
前年の愛知杯を勝った後は牝馬限定重賞でも馬券に絡めていなかったが、前々走のチャレンジCでは2着に好走。ソーヴァリアントには離されてしまったが1.57.5という速い勝ち時計が出た中での好走だった。
3勝クラスの勝ち上がりが2200mで、愛知杯を勝ったときの時計が2.01.0であったように、もともとは時計がかかった方がよさそうな印象もあった馬。その点ではディープモンスターと類似だろうか。アテにはしづらいが馬場と枠次第では面白さも生じうる。

ヴェローチェオロ
3勝クラスを勝ってオープン入りした後は3400m、3200m、3400mと長距離ばかり使っている。3戦とも馬券に絡めていないが、前走のダイヤモンドSは10ヵ月以上の休養明けでもあった。
臨戦過程から状態面の不安はあるが、2000mにおける能力が未知なところもある。金鯱賞での好走を後押しする要素は見つけづらいが、人気薄なら多少の不気味さはある。