2022新潟大賞典 舞台合うヤシャマル。

2022新潟大賞典の考察。
サンレイポケットが勝った前年は新潟外回りではあまり見ない我慢比べのようなレースだったが、今年は谷川岳Sで上がり32秒台も出ており馬場状態はよさそう。スローになった場合には速い上がりに対する適性が求められる。

アイコンテーラー
新潟で4戦4勝で他場では勝利なし。
前走は大阪城Sで3着。今回の斤量は52kと軽いが、それは前走においても同じことなので、単純に前走以上のパフォーマンスが求められる。得意の新潟へのコース替わりによって果たせるかどうか。
記憶に新しいところでは、小倉ばかりで勝っていたアリーヴォが小倉大賞典で勝利。重賞に手が届いた。ただ、後に大阪杯で結果を出していることも含め、おそらく小倉適性だけで勝ったわけではないとも受け取れる。アイコンテーラーもコース巧者ということで侮れないが、前走の内容がもう少しよい方が信頼しやすいところはある。

ステラリア
エリザベス女王杯2着の実績があるが、金鯱賞、大阪杯では好走ならず。GⅢ新潟大賞典は仕切り直しの一戦となる。
能力的には足りてよいが、ステラリアの主な実績であるエリザベス女王杯2着、忘れな草賞1着はともに阪神内回りでのもの。1勝クラスにおいて東京で好走しているように、左回りの長い直線をこなせて不思議ないが、現状の馬のイメージとはズレがあるかもしれない。

シュヴァリエローズ
オープン入りしてからは白富士S4着、福島民報杯2着とそれなりのところに来ている。白富士Sは時計の速さもあってか前との差を詰め切れず。福島民報杯では途中で捲って4角2番手という積極的なレース運びを見せたが、勝ったアンティシペイトには逆に離されてしまった。今回の新潟大賞典はおそらく福島民報杯とはレースの質が異なるものとなるので、そちらについてはあまり気にしなくてよいかもしれないが、現状の成績からは新潟大賞典に向けて期待が膨らむほどの要素は見えない。
とはいえ、これらの好走実績は無視までできるものではなく、またシュヴァリエローズは4歳ということで目に見えない実力強化があってもよい。

カイザーバローズ
前走はアルサトワと同着ながら3勝クラスの但馬Sを勝利。レース内容はカイザーバローズの方が上と思われる。あわせて3勝クラスを3戦で通過してきた点は上昇度を感じさせる。
この馬も4歳で上がり目があるが、重賞で通用するかどうかに関して試金石の一戦となる。また直近の東京コースのレースでは6着に終わっており、新潟外回りへの適性の面が課題となりうる。

ヤシャマル
前年の新潟記念において勝ち馬から0.1秒差の4着に好走。斤量も当時と同じ54kで出走できるのはよい。
2勝クラス、3勝クラスは東京2000mで勝利しており、新潟記念の好走も加えると、新潟2000mへの適性は十分といえるであろう。
新潟記念以降においては、東京2000mのオクトーバーSで7着に終わっているところが気にはなるが、このときは稍重馬場の中でパンサラッサがハイペースを作り出しており、どちらかというと切れ味を武器とするヤシャマルには合わなかったのかもしれない。
近走においては、中日新聞杯8着、日経新春杯3着。中日新聞杯は上がり最速を記録したが、行った行ったで決まっており位置取りが悪かった格好。日経新春杯は2着馬に差を付けられた3着なので、額面ほどの評価はできないが、距離が2200mだったし、2着がステラヴェローチェでは仕方ないところもある。曲がりになりにも3着なら状態面は問題ない。
今回は日経新春杯以来の休養明けとなるが、条件的には合いそうであるため、休養明けの克服が叶えば好走も期待できるのではないか。

アルサトワ
ここにきて3勝クラスの但馬S、リステッドの大阪城Sを連勝しており、充実が窺える。ただ、ともにスローを先行する展開に恵まれたものであり、その点に関しては割引が必要と考えられる。
とはいえ、今回の新潟大賞典において他のメンバーを見ると、アルサトワの単騎逃げまでありうる。再度展開に恵まれるようなことがあれば、勢いを含め侮れないかもしれない。
斤量は56k。神経質になるべき数値ではないが、前走の54kから2k増えることは単純にマイナスであろう。

レッドガラン
今年の中山金杯で完勝。2000mのGⅢを勝った実績は高い評価を与えることができる。なかなか勝利にまでは結び付いていないものの過去には洛陽SやリゲルSにおいて、直線の長いコースで速い上がりの勝負の中で結果を出しており、上がりの適性に関しても及第点を与えられる。
斤量は4着だった前走の大阪城Sに続いて57.5k。その大阪城Sは中山金杯あたりと比べると物足りない内容であり、その点が不安材料となる。斤量が堪えているのだろうか。一方で、裏開催ながら岩田康騎手への乗り替わりであり、やはり注意は必要な1頭と思われる。

トーセングラン
ここにきて2勝クラス、3勝クラスと連勝。休養明けとなるが、斤量が57kから54kに減るのはプラスである。
ただ、上がりはそれぞれ35.4、35.9とかかり気味で、切れより粘り強さを発揮して結果を出している印象があり、新潟大賞典の舞台に合うのかどうかはイメージ的には微妙。
とはいえ、トーセングランはこれまでキャリアのほとんどのレースにおいて3着以内をキープ。着外の3戦に関しても、切れ味勝負に屈したというわけではないため、仮に上がり勝負になった場合にどちらに転ぶのかは不透明なところである。血統的には母系にサドラーズウェルズが入っているもののディープインパクト産駒であり、こなして不思議ないが。
レースを順調に使えていない点がやはりマイナスだが、前走も休養明けの中での勝利。克服できれば面白さはあるか。

ダノンマジェスティ
前年の新潟大賞典で6着と健闘したものの、その後が不振。ただ、前走の福島民報杯では6着ながらラストの伸びは光っており、これがきっかけになるようなことがあれば、少しは可能性があるか。
適性面に関しては、この馬もトーセングランと同様で、速い上がりの勝負になった場合に向くかどうかが不透明だが、ダービー馬シャフリヤールの全兄ということを考えれば本質的にはこなせてよいと思われる。