2022アイビスSD トキメキ地力強化で再挑戦。

2022アイビスSDの考察。
土曜日は2勝クラスの1600m戦・豊栄特別の勝ち時計が1.31.7。勝ち馬が抜けていたが、2着馬も1.32.3で駆けており、かなり時計の出る状態にある。

ヴェントヴォーチェ
2走前の春雷Sを1.06.8で圧勝しており、スピード勝負に強そうな印象を受ける。
春雷Sは中山1200m戦で、アイビスSDにおいては直線1000mへの適性を備えているかが問題となる。同コースは1戦1勝だが、3歳時の1勝クラスでのもの。後ろ盾とするには心許ないが、実績はないよりあった方がよく、1200mと比べて1000mが苦手という雰囲気は感じられない。
前走の函館スプリントSでは7着止まりで、重賞実績がない点はマイナスだが、ここであらためて期待することはできる。

シンシティ
デビューから一貫してダートを使ってきたが、前走の韋駄天Sで芝に初挑戦すると、いきなり3着に好走。ダートで2戦続けて大敗していたところでのトラック変更による活性化効果があったかもしれないのとともに、実は芝適性も秘めていたというパターンだろうか。
韋駄天Sでは勝ち時計が0.54.8。アイビスSDでの好走を狙うには、おそらく時計を詰められるかが課題となる。前走がそれほど速くない勝ち時計に留まったことで好走できたという帰着になるかもしれないし、逆に芝への慣れによりさらにパフォーマンスを上げてくることを期待してよいかもしれない。
枠に関しては、前走で内めだったのがアイビスSDでは外めとなり、レース運びの点から加点材料と考えられる。
ただ、シンシティはサウスヴィグラス産駒。同産駒を調べると、活躍馬は軒並みダート馬で芝の重賞での好走は見られない。前述の経緯からシンシティがそうした歴史を打ち破ってもよく、アイビスSDでの好走が無理と決めつけているわけではないが、前例のないことが起きるのをあえて期待するには現状オッズが低いという感じはする。

トキメキ
前年のアイビスSDでは4着。このときは3勝クラス在籍での格上挑戦だった。3着馬から少し離されてしまったが、この時点で3勝クラスでの成績が<0,0,1,3>だったことを考えれば健闘したといえる。トキメキは1200mに比べて、直線1000mの舞台への適性があったと考えられる。それを示すように前走3勝クラスにおいて初めて1000mを使うと勝利。今年はオープン馬としてアイビスSDに参戦することとなった。
また、1200mに関しても3勝クラスでなかなか馬券に絡めない時期が続いていたが、3走前、2走前と連続して2着に入っている。前年そこそこ走った馬が地力強化をして再度挑戦してきたということになり、楽しみのある1頭といえそう。
なお、前走勝利時の時計は0.55.1。時計を詰められるかがやはり課題となる。不確定要素とはなってしまうが、1200mより1000mの方がよいとすると、1000mの中でスピード重視になる馬場の方が合っていても不思議ではないか。

マウンテンムスメ
勢いのある4歳牝馬で、2勝クラス、3勝クラスを連勝しての参戦。
1000mの実績は1勝クラスでの勝利と、ルミエールオータムD4着がある。ルミエールオータムDに関しては、2勝クラスの身での格上挑戦でもあったが、同時に48kの恵量でもあり、評価としては微妙なところかもしれない。ただ、直線1000m自体を特に苦手としている雰囲気はなさそう。
マウンテンムスメの近走は充実しているが、偶然とは思うものの時計に関してはいずれもたいして速くない。そのため、この馬も速い時計に対応できるかが課題となる。

マリアズハート
ルミエールオータムD、及び前走の韋駄天Sと、直線1000mのリステッドを2勝している。今回重賞制覇なるかといったところだが、1000mの実績に関しては上位のものをもっている。
ただ、勝ち時計はそれぞれ0.55.1と0.54.8。アイビスSDの時計が速くなった場合に対応できるかが課題となる。マリアズハートは3勝クラス勝利時は1200m戦で1.07.7という時計だったが、オープンに上がってからはどちらかというと時計のかかったときにパフォーマンスを上げている印象がある。その点は課題克服に向けて不安要素か。

ビリーバー
2年前のアイビスSDで3着に好走。リピーターではあるが、それ以降は一度も馬券に絡むことができていない。前年のアイビスSDは11着だった。
とはいえ、近2走は掲示板は確保しており、上がりは上位の脚を使っている。2年前の出来は望み薄ではあるが、多少復調気配ありとして、人気次第では検討の余地はあるかもしれない。

アヌラーダプラ
1200mではほとんど崩れなくオープンのUHB賞勝利の実績もある。しかし、前走がそのUHB賞で、1年近くの休養明けとなる。アヌラーダプラ自身、休養明け実績はあるが、さすがに今回は長い。確かに休養明けでも結果を残す馬もいるが、ローテーションのことを除いても1000m出走は初。状態面、適性面とも不透明な部分が多い。

オールアットワンス
前年の覇者だが、前走の韋駄天Sは6着。ただ、韋駄天Sについては、内枠を引いてしまっていたというマイナス点もあった。また、韋駄天Sの好走馬を素直に評価しづらいのとは逆に、オールアットワンスにおいては時計がかかったことを言い訳にすることができる。韋駄天Sから好転する要素はある。
とはいえ、枠はまたしても内めを引いてしまった。前年は外枠での勝利であり、前走からの上積みは期待できる反面、前年からは条件面がマイナスとなりそうである。

ライオンボス
直線1000mでおなじみの馬。アイビスSDでは3年連続で好走している。
ただ、今年は前年までと比べて順調さを欠いているように思える。例年は韋駄天Sを前哨戦的に使ってアイビスSDに臨んでくるが、今年は使っておらず休養明けでの参戦となる。
また、前年2着時に57kだった斤量が今年は58k。さらには最内枠を引いてしまった。前年バカラクイーンの件があったばかりとはいえ、単純に考えればこのコースでは望ましくない枠かと思われる。
当舞台での実績には敬意を払いたいが、状態面、条件面とも、これまでとは勝手が違うのではないかという印象。

ロードベイリーフ
2走前に韋駄天S2着。1000mは初挑戦だったが結果を残したとともに、オープンに上がってから初めて馬券に絡むことができた。
韋駄天Sから時計を詰めることが必要となる可能性が高そうだが、1200mよりも1000mの方が合っていれば、よりスピードが求められることでパフォーマンスが上がることを期待してもよいかもしれない。期待のかけ方としてはトキメキと同じか。
馬場に関しては期待できるかもしれない一方で、ロードベイリーフは韋駄天Sで割と外めだったのがアイビスSDでは内めの枠となる。クリティカルな問題ではないが斤量も2k増となる。このあたりは歓迎できない材料か。

レジェーロ
近走はボロボロで、1000mも1戦着外。まともには買い材料はない。
ただ、レジェーロは過去何度も穴をあけている馬。大敗からの巻き返しも普通にやってのける。
アイビスSDでは大外枠となった。能力、適性とも裏付けはないが、気性に問題がありそうな成績だけに、外ラチを頼ってスムーズに流れに乗れるようなことがあると、何かが起きるかもしれない。