2022函館記念 道悪の巧拙がどの程度問われるか。

2022函館記念の考察。
少し前の天気予報では当日も雨が降ることになっていたが、ここにきてそうばかりでもない模様。曇の時間帯が長い予報となっており、重、不良必至という状況にはならないかもしれない。
土曜日も雨が降っていたので、それなりに時計のかかる馬場にはなると思うが、やはり観察は必要。道悪の巧拙がどの程度問われる馬場になるのか。

マイネルウィルトス
アルゼンチン共和国杯と前走の目黒記念で好走しており、函館記念の2000mよりも距離があった方がよいのではないかと思われる。
とはいえ、2000mもこなすことはでき、実際に前年の札幌記念では4着と健闘している。2000mでも馬場が重くなってスタミナを問われる程度が大きくなることで、マイネルウィルトスが浮上してくる。逆に時計が速くなるようだと信頼度が下がってくる。
前述のように道悪の巧拙を問われる程度が不透明だが、仮に問われる程度が大きくなれば、この馬にとってプラスに働くと思われる。不良馬場となった福島民報杯の勝ち方は強烈だった。
気になるところがあるとすると、前走の目黒記念時の馬体重。休養明けだったにも関わらず12k減っていたところに若干の不安を感じる。その状態で2着と結果を出したことが仇にならなければよいが。

サンレイポケット
3走前の京都記念で3着に好走しているようにGⅡで戦える馬。GⅠにおいても天皇賞秋、ジャパンカップにてともに4着と健闘している。
従ってGⅢであれば当然有力と考えられる。その割には前走の鳴尾記念では3着までだったが、勝ち時計が1.57.7と少し速かったかもしれない。サンレイポケットにはもう少し時計がかかった方が合うと思われる。その点に関しては、今回の函館記念では問題が解消される公算が高い。
サンレイポケットにおいて気にかかるのは次の2点。
1つ目は斤量の57.5kがどうかということ。実績を考えれば、これを克服して好走できてもよいが、トップハンデということもあり、どうしても不安は残るところ。
2つ目はコース経験で、函館コースは初めての出走。函館コースだけでなく、同じく洋芝の札幌での出走経験もないし、直線長めの中京の経験はあるものの、所謂ローカル小回りに出走したことがないというのは経験値として不安がある。時計の数値面では好走できてよいが、追走や仕掛けのタイミングなどに適応できるかは不透明なところがある。

スカーフェイス
前走の大阪杯では上がり最速タイの脚を使って6着。これまで2000mのGⅢにおいては、スカーフェイスは中山金杯2着があるものの、勝ち馬に離されたことに加え3着以降への優位性も微妙だった。そのため、やや実績不足の感もあったが、大阪杯だけ走れれば函館記念でも楽しみはあるといえる。斤量55kも手頃感。
道悪適性は分からないが、時計はかかった方が差し届きやすいはずで、変に時計が出る状態にならないのが望ましい。一方で、1勝クラス時代に2400mでの好走経験はあるものの、あまり馬場が重くなってスタミナを問われる程度が大きくなると、休養明けということもあり、距離的な負担が大きくなるおそれもある。

アラタ
前年の福島記念で3着に好走。パンサラッサには分が悪かったが、同じだけのパフォーマンスが出せれば、今回の函館記念では普通に通用してよいであろう。
ただ、金鯱賞8着は問題ないとして前走の都大路S5着はあまりよい内容ではなかった。逃げる形になってしまったことで能力を発揮できなかったのかもしれないが、このレースに限定して考えると、函館記念に向けて順調とはいえない。そこは多少気になる点。

スマイル
オープンに入ってから3戦結果が出ておらず、実績的には格下の存在。
とはいえ、その3戦については、それぞれ言い訳を作ることはできる。AJCCは昇級初戦でGⅡ。日経賞はGⅡで2500mの距離も長かった可能性。GⅢ新潟大賞典は逆に1.57.7の勝ち時計が速すぎた可能性。新潟大賞典では位置取りもうまくいかなかった。
今回の函館記念は、このいずれとも条件が異なり、結果を出せなかった条件からの変化という観点で注意は必要と思われる。2200mや時計のかかる2000mが合うのではないか。なお、程度問題はあると思うが、過去の実績や血統からは道悪はこなせそう。

ギベオン
近走では金鯱賞5着、鳴尾記念4着と2度の掲示板入りがある。内容的にはともに目を引くものではないが、金鯱賞はGⅡなので気にしなくてよく、主に検討対象とするのは鳴尾記念の方か。
鳴尾記念はうまく展開を味方につけられた感がありながら、粘り切れずの4着なので、高い評価を与えるのは難しい。一方で、勝ち時計は1.57.7と速め。ギベオンはかつては1.32.8でのNHKマイルC2着にみられるようにスピードもあったのかもしれないが、現状では速い決着では厳しくなってきていることも想定される。
函館記念はおそらく時計面ではそこまでは速くならないので、鳴尾記念からの前進があってよい。時計のかかる決着に関しては、うまく嵌った感じがあるとはいえ、重馬場の金鯱賞勝利の実績がある。
中京がベストなのではないかとは思えるが、イメージほど専用機というわけでもなさそうか。

 

ハヤヤッコ
長らくダートを使ってきたが、ここ2戦は芝に転戦。日経賞5着、天皇賞春15着。天皇賞春は格の問題もあったかもしれないが、この血統で3200mはやはり厳しそうで惨敗も妥当といえるであろう。対して日経賞は芝慣れしていないことを考えれば、かなり健闘したといえる。
芝への慣れによる上昇、及び2000mへの距離短縮がプラスに働くことがあれば、意外と侮れないのではないかと考えられる。芝における道悪適性は分からないが、時計がかかること自体は、スピード勝負になるよりはハヤヤッコに望ましいことと思われる。なお、芝の実績の割に斤量57kは重い印象。

アイスバブル
ここ2年は年間に1回ピンポイントで馬券に絡む馬となっている。2年前は目黒記念で2着、前年は函館記念で2着。今年もこの函館記念で思わぬ好走を見せるのかが問題となる。
前走の59kから54kに減る斤量が買い材料となりうるものの、レース内容も加味すると、近走からは高い評価は与えづらい。しかし、前年も凡走を繰り返しながら2着に入った実績がある。
適性的には目黒記念の2500mやまたは2400mあたりが合っていそうで2000mはズレがある。実際に前年の函館記念では確かに2着に入ったが、勝ち馬トーセンスーリヤには0.5秒離されたし、6着までが同タイム入線ということもあり着順ほどは評価できない。これを理由にアイスバブルの評価を下げることも考えられるが、今年の函館記念では、前年より時計がかかりそうな可能性があり、そうなった場合にはアイスバブルが前年以上のパフォーマンスを出してくることも想定される。そのため悩ましい存在となる。血統に関してはミスパスカリの名前を見るに道悪はこなしそう。

ジェネラーレウーノ
3歳時に見せたポテンシャルを考えると、このメンバーの中では抜けているくらいだが、屈腱炎からの復帰後は精彩を欠いている。前走は久々に逃げの手に出たが11着。この積極策がきっかけになれば、と言いたいところだが、ポテンシャルを発揮できる状態を整えるのはなかなか厳しいかもしれない。
斤量が59kから一気に54kに減るのは魅力も、今の状態のままならこれだけで好走圏内に届くとはいえないか。

ウインイクシード
8歳で衰えがあるのか、近走は馬券に絡めないレースが続いている。
とはいえ、前走は巴賞で4着。それほど悪いわけではなく、衰えがあるとはいっても露骨なものではなく緩やかな感じだろうか。一応斤量も57kから56kに減る。
近走の結果から函館記念での好走は厳しいは厳しいが、無理というほどでもなく人気によっては検討の余地はあるかもしれない。

サトノクロニクル
前走は巴賞で3着に好走。ラストの方で追いづらい場面もあったものの内容的にはそれほど高く評価できない。
函館記念に向けては、2000mへの距離延長はプラスに働いてよいため、前走より一段上のパフォーマンスが出せる期待はある。
ただ、直ちに函館記念で通用するとまではいえないレベルであることや、かねてからサトノクロニクルの安定感は低い。多少気になる馬ではあるが、強調できる買い材料は出てこない感じだろうか。