2022クイーンS 類似条件での実績尊重。

2022クイーンSの考察。
札幌の馬場は割とよさそうな状態で、そこそこインを立ち回った馬が上位に来ている印象がある。

ウォーターナビレラ
3歳の中でトップクラスの1頭。他世代とは初対戦となるものの52kで出られるとあって当然有力となる。
距離適性に関しては1600mの阪神JFで3着、桜花賞で2着といった実績がある。他方で前走のオークスでは大敗。距離適性のなさを露呈する結果となった。
1600mでは強く2400mでは厳しいということで、間にあたるクイーンSの1800mをこなせるかが問題となる。やってみないと分からないところではあるが、コーナー4回の小回りコースであり、1600m寄りの馬でも誤魔化せる要素がある。こなす可能性の方が高いのではないか。とはいえ、過去クイーンSで3歳時に好走したアプリコットフィズやアイムユアーズは、オークスにてウォーターナビレラのように露骨にパフォーマンスを落としていなかった。多少の不安要素は残る。

ローザノワール
前走のヴィクトリアマイルでは最低人気ながらあわやのシーンを演出。4着に健闘し、スムーズに逃げられれば強いというところを示した。
クイーンSと類似コースでの実績として、3走前にディセンバーS勝利がある。
これらの実績からスムーズに逃げることが叶えば、ローザノワールはクイーンSで結果を出せるだけの能力、適性をもっていると思われる。
その中で内枠を引き、流れを掴むことができてよい状況。単騎で逃げられてよいメンバー構成ではあるが、とはいえ他馬の出方はどうしても不確定要素。ローザノワール自身も出足が鈍いときもあり、必ず逃げられるとはいえないし、人気からしても前走ほど後続が放置してくれるともいえない点が気がかり。

ホウオウピースフル
前走は巴賞を勝利。ややメンバーレベルが低かった気はするが、同じ洋芝、同じ小回り1800mといった類似条件での勝利であり、クイーンSに向けて評価することができる。
ホウオウピースフルは安定感はイマイチで、理由はあるにしても大敗するケースも少なくない。能力、適性は認めても信頼しづらいところもあるかもしれない。
一方で、小回り1800mに目を向けると、ディセンバーS4着、中山牝馬S4着がある。馬券圏内には届いていないものの悪くない内容。成績が安定しない中で、小回り1800mでは安定して走っている感じがあり、今回においてはそれほど気にしないという手もとりうる。

テルツェット
前年のクイーンSを勝利。このときは函館での開催だったため、リピーターというわけではないが、同じクラスの類似コースで結果を残したことは評価できる。
前年勝利時に55kだった斤量が56kになるのが課題となるが、2走前に中山牝馬Sにおいて56.5kを背負いながら5着に好走しており、過度に気にする必要はなさそう。
テルツェットは位置取りが後ろになるきらいがある。それでも前年のクイーンSでは届いて勝利したが、ペースによっては前年ほど上がりがかかるかどうか。

メイショウミモザ
2走前に阪神牝馬Sを勝利。ほとんど1200mばかり使ってきた中で1600mを使ったところ勝ってしまったという感じ。確かに血統からは1200mより1600mの方が合っていてよいように思われる。
今回のクイーンSではさらに距離延長して1800mへの出走となる。不確定要素ではあるが、距離に関してはこなしてよいし、あるいは距離延長を味方につけられることもありうる。
距離より気になるのはコースだろうか。メイショウミモザはこれまで主に1ターンのコースで走ってきた馬。阪神牝馬Sの阪神1600mにしても1ターンである。コーナー4回の小回りコースに対して適応できるかに対しては不安がある。
また斤量も56k。確かに阪神牝馬Sを勝った実績があるが、これもマイナス材料となる。

ルビーカサブランカ
牝馬限定重賞に関しては、2000mの愛知杯を勝った実績があるが、1800mでは中山牝馬S6着、福島牝馬S5着。3勝クラス勝利も2200mであり、基本的には1800mよりも2000mの方に適性があると思われる。
とはいえ、1800mでは明らかに足りないというわけではなく、前述の中山牝馬S、福島牝馬Sではともに勝ち馬と0.2秒差。きっかけ1つで浮上があって全くおかしくない。
後押し材料としては、時計と上がりがかかって2000mに近いレースになることがルビーカサブランカにとって望ましいと思えるが、現在の馬場でそうした状況が期待できるかどうか。当日の馬場を見ながら考えることになる。また、ルビーカサブランカも位置取りが後方になる傾向がある。前崩れにでもなれば出番があってよさそうだが、そこまでなるかどうか。

スライリー
3走前に中山牝馬S4着がある。中山牝馬Sだけ走ることができた場合、差しが決まる状況にでもなれば、スライリーの浮上があっておかしくないか。この点ではスライリーはルビーカサブランカと似たような感じかもしれない。
なお、斤量面では中山牝馬Sのときに53kだったのがクイーンSでは55kに増える。

サトノセシル
前年のクイーンSでは3着に好走。前年時の内容に関してはテルツェットより印象度が低いが、それでも同じクラスの類似コースでの好走には一定の評価を与えるべきであろう。サトノセシルは当時と斤量の変化はなく55k。
近走は自己条件の3勝クラスを勝ち切れていない。特に前走の江の島Sは少し物足りない感があるが東京コースでのもの。状態落ちなどがなければ好走を期待しうるだけの実績はある。

フィオリキアリ
前走で3勝クラスの牡馬混合戦・五稜郭Sを勝利。差しが台頭しやすい展開だった気はするが、同時に休養明けでの勝利でもあった。
1800mへの距離短縮、及び安定感が低めな馬であることがどうかも、意外と侮れないかもしれない。