2022小倉大賞典 馬場、時計の変化に注意。

2022小倉大賞典の考察。

土曜の小倉は雨が降っており重馬場での開催。時計もかかっていた。
トラックバイアスとしてはやはり外が伸びているが、最内1頭分はまずまずの状態を保っているのか、ここを通った馬が残るケースも見られた。
小倉大賞典当日は晴れるようで馬場がどこまで回復するかがポイント。JRAのホームページにもあるように3角4角の内柵沿いに傷みがあるようなので、外差し傾向は維持されそうだが時計がどうなるか。重馬場の影響が残れば多少時計がかかりそうではあるが、前のレースを見ながら判断していくことになる。

ヴァイスメテオール
ラジオNIKKEI賞で強い勝ち方をした4歳馬。ラジオNIKKEI賞の福島1800mは小倉1800mと類似コースといえるので、適性面でも加点材料となる。
まだキャリアの浅い馬だが、現状は時計のかかる馬場での実績が目立つ。3勝はいずれも稍重以上で、ラジオNIKKEI賞の勝ち時計も1.48.0。雨の影響が残り仮に良になっても時計がかかる馬場状態にあればよいが、もし速い時計も出るような状態になった場合はヴァイスメテオールにとって未知な分だけ不安材料となる。
一方で今回は菊花賞以来の休養明けでの出走。適性面では時計のかかる馬場となった方が信頼度が高まるとしたが、スタミナを要求されることで休養明けの影響が出てしまう懸念もあり、単純に馬場が時計のかかる状態だとよいとばかりもいえないかもしれない。

アリーヴォ
小倉適性の光る4歳馬。これまでの4勝は全て小倉でのものであるのに加え、小倉では4戦4勝と底を見せていないのは魅力。馬場状態も季節も関係なく小倉だと走る感じか。
前走は3勝クラスを勝利。重賞に上がって通用するのかが課題となるが、54kと斤量に恵まれているのはプラス材料と思われる。
なお、大外枠に入ってしまった。小倉1800mは1角までの距離が短いため、大外枠は距離損に結び付きやすい。ただ、外差しが決まる馬場であれば、枠なりにそれを生かした乗り方をすればよいとも思える。アリーヴォ自体は位置取りの融通は利きそう。

ランブリングアレー
前年のヴィクトリアマイルで2着だが1着グランアレグリアに離されすぎたので、着順ほどの価値があるのかは微妙。そうはいっても愛知杯中山牝馬Sで結果を出しており、少なくとも牝馬重賞戦線であれば十分に通用するところまで成長してきたと思われる。
1800mが最も安定感があり距離適性の面もクリア。ここ2戦の2200mより向くと思われる。牡馬相手で斤量55.5kという条件を克服できるかどうか。

ダブルシャープ
小倉では<3,3,0,2>の実績があり、小倉巧者に分類できる。
前走は関門橋Sを勝利。展開に恵まれたところはあったが、2着だったシフルマンとともに後続を5馬身も離しており好内容だったと思われる。
ダブルシャープは前年の小倉記念に出走したが、このときは4着止まり。斤量は当時54kで、比較上今回の56kは見込まれた感もある。小倉記念を過去のこととして気にせずに前走を重視すれば期待できるが。

スカーフェイス
前走の中山金杯では2着に好走。これを含めゆったりと入ったときに主な実績をあげており、あわせて時計もかかっている。1800mへの距離短縮に対応できるが鍵となりそう。ヴァイスメテオールと同様に時計のかかる馬場となった方が安心感がある。
ただ、能力面に関して、前走の中山金杯は2着ではあるが勝ち馬にやや離されており、2着から8着までが0.1秒差に収まる混戦。スカーフェイスにはここで好走できうる資格はあるが、当然抜けた馬ではなく、1kとはいえ前走より斤量が増えるのは歓迎材料ではない。

スーパーフェザー
前年の小倉記念ではダブルシャープに先着の3着。斤量も小倉記念ではダブルシャープ=54k、スーパーフェザー=53kだったのに対し、今回の小倉大賞典ではダブルシャープ=56k、スーパーフェザー=54k。前走は3勝クラスを1800mで勝利しており、一定の距離適性が認められる。これらのことからスーパーフェザーがダブルシャープに再度先着しても全く不思議ではなく、ダブルシャープを有力視するのであればスーパーフェザーにも警戒が必要となる。
ただし、スーパーフェザーの成績には安定感がなく信頼はしづらい。成績を見渡すと、少頭数のときに馬券に絡みやすいようである。またどちらかというと相対的に外枠のときの方がよい印象。ごちゃつくのを苦手とするところがあるのかもしれない。そうだとすると、16頭立てで小回りという今回の小倉大賞典で能力を発揮できるかが疑問となるが乗り方次第だろうか。馬場状態によっては内を通る馬と外を通る馬とに分かれて馬群がばらける可能性も考えられる。

ノルカソルカ
逃げ候補の1頭で前走は3勝クラスの1600m戦を勝利。
クラスが上がるが斤量が減るのはプラス材料。トップウイナーの出方が気になるが、距離延長が功を奏してスムーズに逃げられれば侮れないかもしれない。
ただし、馬場状態が時計のかかるままだと距離的な負担が大きくなるおそれはある。道悪はこなせる馬であるが、これまで1600mまでしか経験がないノルカソルカにおいては、1800mなら馬場が軽く上がりも速くなるといった状況の方が慣れという意味では期待しやすいと思われる。もちろん時計のかかる1800mに問題なく適応できる可能性もあるが。

ヴェロックス
3歳時はクラシックで活躍しポテンシャルは高いはずの馬だが、2年前の小倉大賞典で暗転してしまった。さすがにいい頃の出来を取り戻すのは難しそうだが、ここ3戦は1600mを使っており、凡走に対して言い訳の余地はある。1600mよりは1800mの方が合っていると思われる。前走の東京新聞杯では積極的に先行しており、あるいは今回の出足にいい影響を与えるなど活性化効果が期待できるかもしれない。とはいえ、東京新聞杯では10着に終わっており、前進があったとしてどこまでという感じもある。

ブラヴァ
一時期は重賞で好走を繰り返していたが近走は芳しくない。凡走した4戦のうち大阪杯に関してはGⅠなので仕方ないで済むが、金鯱賞最下位や鳴尾記念9着、福島記念14着は印象が悪く、成績的にはいい頃の状態にないように感じられる。
他方でブラヴァスが連対した重賞3戦ではいずれも外枠を引いており、外から差してきているという特徴がある。対して以降の凡走したレースにおいては比較的内めの枠を引いており、道中も内めを通っている。金鯱賞は少頭数だったが、外から被せられて窮屈な感じがあった。ブラヴァスはかかり気味になることもあるが、のびのびと走らせた方がよいのかもしれない。
今回の小倉大賞典では久々に外枠を引いた。内めを通ったときもあからさまな不利を受けたわけではなく、仮にそれで能力を発揮できなくなるのだとしたら、それはそれで頼りないが、変わり身があるとすればこの点ではないか。