2025天皇賞秋登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
現時点では、東京は金土で雨がある模様だが、天皇賞秋当日は晴れる見込み。ある程度乾いた状態での開催となるか。
先週は速い上がりも出ているものの、雨の影響のある中での開催。各馬が内を避けて外に持ち出すような場面も見られた。天皇賞秋当日の馬場の含水量と今週からのBコース替わりで、トラックバイアスがどうなるかも確認しつつ臨みたい。
ミュージアムマイル
今年の皐月賞を制した3歳馬。天皇賞秋は皐月賞と同じ2000mであり、得意距離にあたると思われる。皐月賞は1.57.0と速い時計だった。
前走はセントライト記念を勝利。2400mのダービーでは伸びきれなかったが、間の2200mには対応できたか。もしくは2200mも本質的な適性から多少ズレていたものの能力の違いで勝てたという感じか。いずれにしても秋初戦を順調にクリアしており、状態面の心配もなく天皇賞秋に臨める点はプラスとなる。
天皇賞秋では、古馬が相手となり力関係は未知となるが、過去の事例からは通用してよいだけのものはある。
適性面で不安をあげるなら左回り。右回り<4,1,0,1>に対し左回りは<0,0,1,1>。着外はダービーで、結果として距離が長かったというのが第一感ではあるが、アベレージが右回りより低いという事実があることは多少気に掛けておきたい。
マスカレードボール
こちらも3歳馬で、皐月賞3着、ダービー2着。世代トップクラスの実績がある。
マスカレードボールはむしろ左回りの実績が豊富で、ダービー2着の他、共同通信杯1着もある。ミュージアムマイルに及ばなかったものの2000mの皐月賞で好走した点と、東京でも結果を残している点は、舞台適性面で強みになってよいと思える。
天皇賞秋にはダービーからの直行での参戦となる。当該ローテーションではエフフォーリア、イクイノックスが天皇賞秋を制しており、今更気にするようなことでもないが、マスカレードボールのキャリアの中では最も長いレース間隔となる。それとともに直近の状態を測ることはできない。
ロードデルレイ
今年に入り日経新春杯を圧勝した後、大阪杯でも2着に好走。大阪杯は勝ち時計が1.56.2となった中での好走であり、速い時計に対応する能力が高い。
一方で前走の宝塚記念では8着。稍重が堪えたという説も考えられるが、同レースで最下位に終わったヨーホーレイクは暑さが原因ともされており、ロードデルレイも何かしらの体調面の問題があったのではないかとも考えられる。もしくは5歳になって急激にパフォーマンスを上げてきたことによる反動が生じたか。
天皇賞秋では当時と比べて能力を発揮できる状態にあるかが問題となりうるが、時計の出る馬場を想定するのであれば、大阪杯の実績からはロードデルレイの巻き返しに期待できるところがある。東京についてはリステッドの白富士Sが最大実績とはなるものの3戦3勝とパーフェクト。
メイショウタバル
前走は宝塚記念で逃げて2着に0.5秒差の完勝だった。走破時計は2.11.1となったが稍重の巧拙の差もあったのではないかと思われる。
実績に基づけば、天皇賞秋においても、雨の影響が少しでも残った方がメイショウタバルには望ましいと思われるところだが、キャリア全体を眺めると適性だけでは説明できない大敗も多い。実績のない条件が合わないと決めつけられない反面、例えば気性的な理由で能力を発揮できずに終わるパターンも想定される。
タスティエーラ
前年の天皇賞秋では2着に好走。以降の2戦は海外で好走しており、今回は1年ぶりの国内での出走となる。同時に休養明けとなるが、前年も同程度のレース間隔があった上での好走だったため、ローテーションについてはマイナスと考えなくてよい。
問題は適性で、確かに前年は好走しているのだが、そこをどう捉えるか。もともと切れ味よりも粘り強さ、持続力に特徴があると思われた馬。前年の天皇賞秋では、速い上がりの中で好走できたが、タスティエーラは相対的に目立った上がりを使ったわけでもなく、その点はダービー勝利時と同じ範疇という解釈もしうるところ。
前年の好走については、前目をとった展開面と、リバティアイランドの凡走やダノンベルーガの衰えといった相手関係、ダービー馬の4歳秋という時節的な優位性、といった要素が重なったのではないかと思われる。
とはいえ、前年の好走した事実と、近走の充実を考えると、引き続き軽視しづらい存在ではある。
シランケド
前々走のヴィクトリアマイルで3着に好走すると、前走では新潟記念を勝利。新潟記念は格としてはGⅢだがエネルジコに勝った点は印象としてはよい。
適性の幅は広く、天皇賞秋の東京2000mに関しても対応が期待できる範囲にあると思われる。また2年以上に渡って馬券圏内に入り続けており、都度対応できる能力がある、すなわち底を見せていないとの解釈もできる。
天皇賞秋においてはやはり相手関係が課題となりそうだが、これまでの適応力でクリアなるか。
ブレイディヴェーグ
前走の新潟記念においては、1600mからの距離延長がプラスに働く期待もあったが6着。ただ、最内枠で56kを背負っていた中での結果でもある。55kで勝ったシランケドと前走だけで勝負付けが済んだとはいえない。
他方で、マイルCS4着、安田記念4着があり、能力的には上のクラスでも通用する余地がありつつも、前走の率直な印象としては天皇賞秋に向けて期待が膨らむようなパフォーマンスではなかった。これまで1600mは短く、2000m以上あった方がよいというイメージがあったが、牡馬混合の重賞で2000mに出走したのは前走が初。前走ではマイナス要素はあったものの期待ほど距離延長の効果は得られなかったのかもしれない。
クイーンズウォーク
ヴィクトリアマイル2着から臨んだ前走の新潟記念では馬場入り後に放馬して除外となってしまった。57kを背負っての新潟2000mでのパフォーマンスは天皇賞秋に向けて参考になってよいと思えるが、その機会がなくなってしまった形。それとともに天皇賞秋の前に実戦を使えなかったことはマイナスかもしれない。
クイーンズウォークも牡馬混合のGⅠに出走するのは初めてで、相手関係が問題となる。前々走のヴィクトリアマイル2着の他に、3走前には重馬場の金鯱賞を勝っており、良馬場2000mは対応できると見込まれる。仮にそのあたりに最大適性があれば通用する期待が生じる。
なお、良馬場2000mでは秋華賞15着もあったりするが、これは能力の問題ではない。左回りなら今のところ安定した成績となっている。
何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。