2025アイルランドT登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
東京の開幕週はやはり速い時計が出ていた。週末は雨の心配も今のところなさそうで、引き続き良好な馬場状態での開催となるかと思われる。
カナテープ
前走は関屋記念を勝利。メンバー中最速の上がり32.5で外から差し切った印象的な内容だった。前々走の府中牝馬S2着に比べて内容が良化しており、1600mの時計の出る馬場への条件変化がプラスに働いた可能性が考えられる。
それだけにアイルランドTにおいては、1800mに戻ることが課題となりうるが、前々走にて最後に伸び切れなかったのは、同じ東京でも現在より時計のかかる馬場だったことが一因と考えられる。現状想定されるアイルランドTの馬場なら当時より上のパフォーマンスを出せる期待はある。
ボンドガール
前走の関屋記念ではヴィクトリアマイルの不可解な大敗から巻き返して2着に好走。56kを背負ってのもので価値がある。
アイルランドTでは1800mへの距離延長。前走が1600mを1.31.0という時計で走破しているだけに、距離延長がプラスに働く期待をもってよいのかは微妙になってきているが、3歳時の実績を振り返れば、少なくとも1800mはこなせるはずではある。
アドマイヤマツリ
前々走の福島牝馬Sが強い勝ち方だった。2着につけた0.4秒差は、同じ1800mのアイルランドTに向けて評価できる。
前走のヴィクトリアマイルでは7着止まりだったが、戦前より1600mへの対応については未知であり、結果として適性または能力が足りなかったということで、とりわけ気にする必要はない。
アイルランドTにおいて1800mに戻ることはプラスに働いてよいが、アドマイヤマツリの主な実績であるスピカS1着、福島牝馬S1着は、ともにそこそこ時計がかかっているように、アイルランドTで想定される馬場とは異なる状況にあった。
前走も好走できなかったとはいえ0.3秒差に頑張っており、またこれまでの連対率の高さからも、問題なくこなしてきてもよい気もするが、一応は未知な部分としてあげておきたい。
セキトバイースト
近2走が好内容。前々走の都大路Sは抜群の推進力で圧勝。前走の府中牝馬Sにおいても、先行策から後続を封じ込める内容で重賞制覇となった。
この馬も時計のかかる馬場で実績をあげている印象。前走は1.46.0だったし、前々走も時計としては1.45.2ではあるものの内の荒れた稍重馬場だった。
また上がりに関しても、これまで速いものが記録されていない。セキトバイーストの中で最も速い上がりを出したのが2歳時で、上がり34.0でキレ負けしている。アイルランドTでは、近走のように機動力を生かせる形になることが望ましいと考えられる。
1600mでも一定の結果を出してはいるものの、時計の出る馬場への適性が未知であるのとともに、流れや乗り方に注文がつく部分がありそう。
サフィラ
前々走の阪神牝馬S1着が光る。このときは上がり勝負になっており、その中で先行から上がり33.3を使って押し切っている。
一方、そうした流れにならなかった前走のヴィクトリアマイルでは普通に13着に大敗。アイルランドTに向けては、前々走と似たような展開となれば期待できるといったところだが、距離延長に伴いスタミナを削られやすくならないかが気がかり。
なお、登録馬の中でただ1頭56kの斤量を課される。
ラヴァンダ
4走前の阪神牝馬Sにおいてメンバー中最速の上がり32.7を使って3着に好走した実績がある。この内容自体は評価できるが、同じように能力を発揮するには、サフィラと同様にアイルランドTにおいても似たような展開になることが求められる。
ただ、ラヴァンダの場合は、前々走の府中牝馬Sにおいても3着に好走しており、1800mの重賞実績がある点はプラスといえる。府中牝馬Sの馬場よりアイルランドTの馬場の方が軽くなることが現時点では想定される。阪神牝馬Sのときほど脚を溜める形にはならなくても、府中牝馬Sのときより脚を残せる期待はあるかもしれない。
アンゴラブラック
デビューから<4,1,0,1>と完璧に近い成績。前走は3連勝で3勝クラスのバーデンバーデンCを制して、アイルランドTに駒を進めてきた。
アンゴラブラックのキャリアの特徴としては2000mを多く使っていることがあげられる。東京1800mは1度だけ経験があり、しかも勝ってはいるが、適性面で未知な部分が多いのは確か。
とはいえ底を見せていない魅力はある。
ドゥアイズ
近走は結果が出ていないが、前走と前々走はダート戦なので当然に度外視できる。3走前の阪神牝馬Sは上がり勝負となっており凡走の言い訳を作ることはできる。
ドゥアイズは1800mをこなせる馬で、直近では前年のクイーンSにおいて4着に好走している。このときは時計のかかる馬場だったが、キャリアを遡ると適性面では時計の出る1800mが案外マッチする期待はありうる。
したがってアイルランドTは4走前の京都金杯以来の適鞍到来という見方もできなくはないものの、その京都金杯において負けすぎの感のある点はマイナスとはなってしまう。2歳時から活躍している馬でピークアウトしていなければよいが。
ホウオウラスカーズ
前走は京成杯AHにおいて驚きの勝利。開幕週で最内枠に入ったことが嵌ったのか分からないが、パフォーマンスレベルとしては、トラックバイアスを生かしただけでなく、一定水準以上の能力があることを思わせるものだった。
能力的にはアイルランドTにおいても侮れず、1800mの距離への適性も備えている。
とはいえ、安定感とは当然無縁で、アテにはならない存在。また、前走で脚が溜まったのは1600mへの距離短縮も一因という可能性が考えられ、仮にそうだとすると、距離が1800mに戻る点はプラスとはならないか。
何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。