2024ヴィクトリアマイル 注目馬考察

2024ヴィクトリアマイル登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
当日は雨予報もあったが現時点では降らない方向となっている。

マスクトディーヴァ
秋華賞2着の実績があり、4歳牝馬ではリバティアイランドに次ぐ能力をもつ馬と位置付けられる。
前走は阪神牝馬Sを56kで勝利し、1600m戦初勝利となった。これ自体はスローからの上がり勝負であり、ヴィクトリアマイルでは仮に序盤から流れた場合に、1600mの時計勝負での実績がない点が死角となりうるが、ローズSでは1800mとはいえ1.43.0という時計で勝っており、多少流れても適応できそうな気はする。
なお、前々走の東京新聞杯6着は、出遅れによりチグハグなレースとなったこと、内有利な中で外を回ったことが原因としてあげられるが、事実として関東圏での実績を積むことはできなかった。

ナミュール
前年のマイルCSでGⅠ初制覇を果たすと、近2戦は香港マイル3着、ドバイターフ2着と海外のGⅠで好走。充実期に入っている感じがする。
マイルCSでの切れ方を見ると、ペースの緩みが生じた方がより能力を発揮できるかとも感じるが、富士Sのパフォーマンスから、牝馬限定GⅠならラップ構成についてもそれほど気にする必要はないと思われる。
前年のヴィクトリアマイルでは不利を受けて7着に終わった。近走においても位置取りが後ろになりがちなだけに、どことなく嫌な感じはするが、初コンビの武豊騎手のエスコートにも注目したい。

 

スタニングローズ
2年前の秋華賞馬。前年のヴィクトリアマイルは12着に終わったが、その後に故障が判明していることからノーカウント扱いとしたい。休養明けだった前走の大阪杯を叩いての参戦となる。
ただ、スタニングローズは1600mの実績に欠けるところがある。2000mで機動力を発揮して活躍しているイメージなので、時計勝負になっても瞬発力勝負になっても未知な部分が多い。

ウンブライル
前走は阪神牝馬Sにおいて上がり最速の32.9で2着に好走。マスクトディーヴァとは1kの差があるため、比較の問題は生じるが、同じようなレースの流れになれば、ヴィクトリアマイルでも期待することができる。東京コースについてもNHKマイルC2着があり左回りの問題もない。
とはいえ、前走を除くと実績には頼りなさもある。ウンブライルが2着に入ったNHKマイルC出走馬は不振に陥っている馬が多いのは気がかり。現状は持ち時計に欠け、速い時計になった場合に対応できるかは未知となる。

モリアーナ
前走は阪神牝馬Sにおいて、ウンブライルと並んで上がり最速の32.9を使って3着。着順としてはウンブライルより1つ下という結果だが、一方でモリアーナは斤量56kを背負っていた。
モリアーナは紫苑S1着、前々走のAJCC4着と、より長い距離での好走が目立つ。そのため、阪神牝馬Sの好走に関しても、序盤から脚を削られるような流れにならなかったことが味方したのではないかという解釈もとりうる。
ヴィクトリアマイルにおいては前走のような流れになった方が期待しやすいか。

ハーパー
1600mにおいては桜花賞4着の実績があるが内容的には強調しづらい。ハーパーももう少し長い距離により適性があるのではないかと感じられる。
それだけにレースの流れが落ち着いた方がよさそうに思えるが、出走したレースも関係しているのか、これまで上がり33秒台を使ったことがない。秋華賞ではリバティアイランド、マスクトディーヴァの切れ味に屈する形となった。

ドゥアイズ
前走は阪神牝馬Sで5着止まり。これだけ見ると、マスクトディーヴァはもちろん、ウンブライルやモリアーナにも分が悪い感じに思えてしまうが、先述のように阪神牝馬Sはスローからの上がり勝負のため、本番ヴィクトリアマイルで異なる流れとなれば逆転の可能性はあってよい。2019年の阪神牝馬Sも類似の流れだったが、勝ったミッキーチャームを筆頭に馬券に絡んだ3頭は本番では結果を残せず、逆に阪神牝馬S5着のクロコスミアが3着に好走した。他の出走馬も同様だが、あくまで阪神牝馬Sの流れの中での優劣であることにあらためて注意したい。
ただ、瞬発力勝負にならなければドゥアイズが浮上できるかとなると、前々走の洛陽S1着くらいでは実績的には心許ない。好走を期待するには成長がほしいところと思える。

コンクシェル
ここにきて2連勝で前走は中山牝馬Sを勝利。前々走とは全く異なる馬場での勝利であり、こなせる幅が広いタイプかもしれない。あっけなく大敗することもあり安定感はないが逆に強い勝ち方をすることもありポテンシャルは秘めていそうな感じもある。
現状の主な実績は1800mであり1600mへの距離短縮に不安もあるが、不安定な成績ゆえ真の適性がどこにあるのか分からないという点で不気味さはある。
一方でコンクシェルは逃げ先行で能力を発揮してきた馬。ヴィクトリアマイルにおいても、そうした作戦を前提とするのであれば、前走の入りは37.4と遅かったことから、レースを楽に感じられる効果は期待しづらい。

フィアスプライド
ターコイズSでの2度の好走など中山のイメージが強いが、上がり最速での府中牝馬S4着好走もあり思うより東京もこなせる。
とはいえ、上がりが速くなりすぎると厳しそうなので、適度な上がりで凌げる状況になってほしいところと思われる。持ち時計はそれほどのものはないが、仮に速くなったときに対応できるかどうかは未知。

何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。