2025ヴィクトリアマイル登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
今週末も雨マークが出ているが、今のところは一日中降るという感じではなさそう。東京の馬場は引き続きかなりよく、稍重発表の中でレコードが出たりしている。
アスコリピチェーノ
2歳時に阪神JFを制すると、前年は桜花賞、NHKマイルCと1600mのGⅠで2着と好走。NHKマイルCではジャンタルマンタルに0.4秒の差をつけられてはいるが、内で行き場をなくして滅茶苦茶な騎乗。普通に乗れていたら、着差は小さくなったと思われる。
秋には京成杯AHを3歳馬で55.5kを背負いながら完勝しており、こちらもプラス評価できるであろう。
ずっと安定して連対を続けてきた中で、前々走のザゴールデンイーグルでの大敗は嫌な材料ではあるが、前走の1351ターフスプリントでは無事巻き返している。前々走に関しては初めての海外で調子が出なかったという解釈でよいだろうか。状態が整っていれば確実に有力な1頭。
ステレンボッシュ
アスコリピチェーノと同世代の4歳で、阪神JF2着、桜花賞1着の実績をもつ。1600mにおける能力としてはアスコリピチェーノと互角と思えるものがあった。
他方で、前走の大阪杯では13着に大敗した他、当初はチャンピオンズ&チャターCに出走予定だったのをヴィクトリアマイルに変更してきた経緯がある。1600mに照準を合わせてきたといえるのか。順調度という点では疑問もある。
クイーンズウォーク
前走は金鯱賞を勝利。重馬場でのものであり、適性面の直結性は低いが、牡馬相手にGⅡを勝った地力は評価できる。
ヴィクトリアマイルでは1600mへの距離短縮にどの程度対応できるかが課題となりうる。クイーンC勝ちの実績はあるが、このときの入りは35.4だった。
また、前走の前は秋華賞15着、小倉牝馬S6着といったもので、安定感に欠けるタイプである可能性が考えられる。
サフィラ
前走は格上挑戦となった阪神牝馬Sを勝利。近走は強調材料に欠けたとはいえ、仮にも阪神JFで1人気に支持されたほどの馬で、不思議というほどの好走ではなかったと思える。
前走はスローからの上がり特化型のレースで、阪神牝馬Sでは過去にも近いラップとなったことがある。ヴィクトリアマイルでのパフォーマンスを占うには、似たようなラップになりそうかを検討する必要が生じる。なお阪神牝馬Sにおいてサフィラは展開を味方にできた面もある。
アルジーヌ
安定した成績で着実に実力をつけてきた様子が窺える。前々走のターコイズSで重賞初制覇をすると、前走の阪神牝馬Sでは2着に好走。
阪神牝馬Sはラップの構成故、そこでの好走が必ずしもヴィクトリアマイルでの期待に結び付くわけではないという認識は前述の通りだが、アルジーヌに関しては、自身の堅実さを阪神牝馬Sでも発揮することができたと捉えたい。
ヴィクトリアマイルではレースの格がさらに上がることになるが、そこでも堅実さを発揮して好勝負にもっていけるか試金石の一戦となる。死角としては前半から流れて勝ち時計も速いというレースの経験不足があげられる。
ボンドガール
前走の阪神牝馬Sでは5着まで。前述のサフィラ、アルジーヌの場合とは逆説的に、馬券に絡めなかったといっても、必ずしもヴィクトリアマイルで期待が下がるということにはならない。内容的には3着のラヴァンダの方が見所があったもののボンドガールも上がり32.9を使っており、阪神牝馬Sについてはまずはプラスもマイナスもなく、ノーカウントのような扱いでよいかもしれない。そうすると前々走の東京新聞杯2着好走が評価対象となる。
アドマイヤマツリ
前走は福島牝馬Sで重賞初制覇。うまく立ち回れていたところもあるが2着に0.4秒差をつけたもので、思った以上の勝ち方だった。
上昇度は高いが、アドマイヤマツリは1800mと2000mの経験しかなく、1600mには初出走となる。速い時計に対応できるかはなおさら未知。ニシノブルームーンやキャトルフィーユのように1600mのイメージは薄くても健闘した馬もおり、そちら側に入れるかどうか。やってみないと分からない側面が強そう。
シランケド
前走は中山牝馬Sで重賞初制覇。2勝クラス、3勝クラス、GⅢと3連勝であり、こちらも順調に自力強化されてきた印象。
シランケドもデビュー当初に1400mの経験こそあるが、基本的には1800m、2000mで実績を重ねており1600mの経験がない。適性は未知。
前走の勝ち方自体は強調するほどでもないため、ヴィクトリアマイルで好走を期待するには1600mへの距離短縮がプラスに働くことが必要となるのではないかと思える。
クリスマスパレード
前年の紫苑Sを勝つと秋華賞でも5着に健闘。前々走の中山金杯で4着と牡馬にも通用したし、前走の中山牝馬Sでは3着ながら勝ったシランケド54kに対しクリスマスパレードは56kを背負っていた。やや地味な印象はあるものの実績からは上位の実力を秘める1頭と考えることもできる。
この馬も1600mの経験がなく、ヴィクトリアマイルで能力を発揮できるかは不明。大半のレースで4角2番手以内という位置取りで、距離短縮の中でいつも通りのレース運びが叶うかも課題となるかもしれない。
何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。