2024桜花賞 前哨戦振り返り

2024桜花賞に向けた前哨戦の振り返り。前年の阪神JF以降に行われたレースを対象とする。

阪神JF
近年トレンドとなっている阪神JFからの直行ローテ。
阪神JFでは前後半がほぼイーブンのラップ。1.32.6という速い時計となった。
アスコリピチェーノは関西、右回り、一貫したペースと初物づくしだったが、これらを問題とせずに勝利。奥深さを感じさせる内容で無傷の3連勝となった。
2着のステレンボッシュが上がり最速。多頭数に対応できたのは収穫で、こちらもオール連対。
3着コラソンビートは関西、右回りが初経験だったのに加え、1600mの距離が不安材料としてあげられたが、結果として好走し、1600mをこなすことができた。最後に伸び負けたあたりは、そうはいっても1400mの方が合っているのかもしれない。だとすると時計の出やすい馬場状態が味方した面もあるか。
上位3頭とも関東馬だが、阪神JFで栗東滞在経験のあるアスコリピチェーノを筆頭に、桜花賞に向けて3頭とも栗東滞在しているとのこと。

 

フェアリーS
外枠に入ったイフェイオンだったが、うまく先行して押し切り。
マスクオールウィンは不安のあった1600mの距離を克服して2着に好走。後方で脚を溜められたことが距離克服に結びついたのかもしれない。
このレースで3着だったラヴズコール、1人気スティールブルーのその後の成績からして、あまりレベルの高いレースではなかったかと思える。

エルフィンS
アルテミスSにおいて強調材料のない4着だったライトバックが人気に応えて勝利。内から伸びたスウィープフィートを捻じ伏せたものだが、エルフィンSもレースレベルとしては高くないと思われる。ペースが緩く上がり主体のレースとなった。ただ、そのペースの中でも、ライトバックはアルテミスSのときより我慢が利いていた感じはする。

クイーンC
スローペースの中、クイーンズウォークが上がり最速の33.4で差し切って勝利。デビューから3戦、速い上がりで結果を残しているが、道中で削られた場合が課題となるかもしれない。
クイーンCではラスト4Fが11.6-11.1-11.6-11.7という珍しい推移が発生。最後から3F目が最も速くなっている。目立つのはクイーンズウォークの末脚だが、アルセナールももう一度食い下がる姿勢を見せており、早めにラップが上がったことを考えると、この馬の粘り強さも見た目以上のものだったかもしれない。なお桜花賞には向かわない。

チューリップ賞
3着まで桜花賞優先出走権。
阪神JF、及び桜花賞と同じ阪神1600mだが、稍重ということもあり、勝ち時計は1.33.1で、阪神JFよりはかかる状態にあった。
スウィープフィートが上がり最速で勝利。阪神JF、エルフィンSと比べ、チューリップ賞でパフォーマンスを上げてきた。阪神JFでは上手く乗れていない感じだったこともあり、鞍上強化が機能したものと思われる。序盤3Fが34.5と流れたペースの面でも折り合いをつけやすかった。上がり34.3は2番目に速かったハワイアンティアレを0.4秒も上回っており、ポテンシャルを発揮できた感じ。
また、ペースを考えれば、2着のセキトバイーストはよく粘ったと思われる。先行していた1人気タガノエルピーダと比べても、セキトバイーストのパフォーマンスの高さが分かるが、これまでの成績から事前に予測することは難しかったと思う。地力強化があったのか逃げたら嵌ったか。
3着ハワイアンティアレもピンポイントで抽出するのは難しかったと思われる。このクラスでも通用しうることを示せたこと、持ち時計も短縮できたことは収穫であろう。

アネモネS
2着まで桜花賞優先出走権。
外を回す馬が多い中、内を突いたキャットファイトが勝利。気性の問題なのかイマイチな結果が2戦続いていただけに勝てたことはとりあえずよかったのではないかと思われる。それでもアスター賞の頃からすると期待外れの感はある。
2番手にはテウメッサが上がったが他馬への優位性は微妙で、レースのレベルとしては高くないと思われる。

フィリーズレビュー
3着まで桜花賞優先出走権。
エトヴプレが入り33.8で飛ばして、そのまま逃げ切って勝利。デビューから5戦1200mを使ってきた馬で、1.20.1という時計となる中で、スピードが生きた形だろうか。人気薄だったが、フィリーズレビューにおいては高いパフォーマンスだったと思われる。
コラソンビートは1400mにおいては京王杯2歳S勝利がある。阪神JFでも通用した馬で、実績的にフィリーズレビューは勝ちたいところだったと思われるが、一応順調に駒を進めてきた範囲内といえそうか。
3着にも人気薄のセシリエプラージュが入線したが、時計の出る1400mが結果的によかったのかもしれない。

何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。