2025函館記念登録馬の考察。枠順確定前の週前半時点の考察となる。
函館の天候だが現時点では週中に雨があるも週末は降らない予報。排水性のよいコースではないが函館記念の日は良馬場か、それに近い状態までにはなるか。
函館は開幕週の函館スプリントSで1.06.6が出るなど、ベースの状態はよさそう。先週は重馬場での開催だったが、あからさまに遅い時計というわけではなかった。開催が進んでどう変化するか。
アルナシーム
年明けの中山金杯を勝利し幸先のよいスタートを切ったが、その後の2戦は二桁着順。実績ある1800mの中山記念では外を回されたにしても伸びなかったし、前走の大阪杯もGⅠで相手が強かったものの鞍上が早めにやる気ないモードに入って最下位。
中山金杯は58kだったが、今回の函館記念は59k。体格に恵まれているとはいえない馬でもあり、斤量については当時からマイナス評価。
函館2000mはコース形状的にはこなせる期待があり、またこなせる馬場には幅がある。中山金杯時の出来にあるかが気になる。
マイネルモーント
3走前の中山金杯で2着に好走すると、前々走の白富士Sでも58kの斤量ながら2着。前走の金鯱賞では7着に終わったがGⅡのレース。GⅢなら見直せる実績は近走で示している。
マイネルモーントは切れる脚があるかは微妙だが、時計の出る馬場で結果を残してきている。洋芝は初めてとなるが、そこそこ時計の出る状態にあれば能力を発揮できてよいかと思える。時計がかかる馬場になった場合や時計が速すぎる場合はその点は不確定要素となる。
ボーンディスウェイ
中山金杯で3着だったのがボーンディスウェイ。こちらも洋芝経験はないものの適性的には函館2000mをこなしてよさそうだが、中山金杯の後は好走はできていない。
AJCC、中山記念については、GⅡなのでそれなりに頑張ったという評価でよいと思うが、前走の新潟大賞典5着はやや物足りないか。切れ味勝負にはなっていないので、もう少し頑張れてもよかったと思える反面、稍重を苦にした可能性も考えられる。前走をどこまで気にするかで扱いが変わりそう。
マコトヴェリーキー
近走は京都記念3着、阪神大賞典2着とGⅡを連続して好走。ともに展開に恵まれた側面があることは注意事項として触れておきたいが、ここにきての充実度が感じられる。
函館記念においては2000mへの距離短縮が問題となる。前走の阪神大賞典においては、後続の追撃を凌ぎ切ってくれたことはよかったものの、結果的におそらく3000mは少し長かった。下級クラス時代は2200mや2400mと比べて2000mが向かないなどという成績とはなっていないが、一方で重賞では中日新聞杯で大敗している。2000mはこなしてよいが最大適性はもう少し長いところにありそう、というのを現時点の仮説としておきたい。阪神大賞典2着から同年の函館記念でも好走した事例としてジャミールが思い出されるが、勝ち馬から0.6秒離されての2着だった。
ハヤテノフクノスケ
2勝クラス、3勝クラスを圧勝して臨んだ前走の天皇賞春では惑星的な存在だったが11着。さすがにGⅠでは敷居が高かったという結果。とはいえ3走前と前々走に基づけばGⅢならあらためて期待できてよい。
この馬も2000mへの距離短縮が問題となる。2000mでの凡走経験はないものの前々走の3000mがハヤテノフクノスケの現状のベストパフォーマンス。近走のパフォーマンス向上は成長によるものなのか距離延長による効果なのか、双方ありそうだが、その比重の問題。
なお、2000mでも複数の好走実績があるものの、たいした時計は出ていない。時計が速くなるほど不透明さが増すと思える。
ヴェローチェエラ
3連勝でオープン入りした後は、まずまず頑張ってはいるが人気ほどの結果には至っていない。ただ、雨のあった前走の大阪ハンブルクCは別として、3走前の日経新春杯4着、前々走の阪神大賞典5着は、GⅢなら好走の期待をもてる実績である。
一方でこれらを含め、ヴェローチェエラは新馬戦以外はいずれも2200m以上のレースを使っている。函館記念では2000mへの距離短縮が問題となる。経験がないに等しいため、2000mにどのような対応を見せるかについては不確定要素とせざるを得ない。経験値の観点から一見して不安要素と思える距離短縮が実はプラスに働いた場合には怖さはある。
ディマイザキッド
2勝クラス、3勝クラスを連勝して臨んだ前走の新潟大賞典では2人気に支持されたものの8着止まり。これといっていいところはなかった。
前走は稍重だったがディマイザキッドには重実績もあったため、クラスの壁に跳ね返されたというのが1つの見方となる。
他方で重賞レベルでは時計がかかると厳しいという可能性もある。2勝クラス圧勝時、3勝クラス勝利時はともに良馬場。前々走では上がり33.8を使っている。函館記念において馬場が軽くなった場合には前走からの条件替わりに期待してみる手はある。
グランディア
前年の函館記念において2着に好走。ただ、このときは勝ち馬が天皇賞秋でも3着に入ることになるホウオウビスケッツだったとはいえ、着差は0.6秒で少し微妙な2着でもあった。
近走もそれなりに走っており、オクトーバーS、福島民報杯にて、ともに58kを背負いながら、それぞれ4着、5着と健闘。前年に好走している事実があるように、チャンスはあっていい馬だが、能力的にGⅢの当落線上にいる感じもする。
キミノナハマリア
洋芝実績が光る馬で函館に限れば2戦2勝。またオープンでは札幌日経OP3着の実績がある。2600mよりも2000m適性が高ければ、比較上は函館記念でも好走を期待できる余地がある。
近走は冴えず、その中に函館記念と同じ2000mの小倉牝馬S7着がある。小倉牝馬Sの勝ち時計が1.58.4なので、これより時計がかかった方が浮上しやすいと考えられる。2勝クラスの勝ち上がりは重馬場で、3勝クラス・五稜郭S勝利時も稍重で勝ち時計は1.49.4だった。
何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。