2025皐月賞 前哨戦振り返り

2025皐月賞に向けた前哨戦の振り返り。
多様な路線があるが、本記事では、ホープフルS、共同通信杯、及び優先出走権の得られる3レース=弥生賞、スプリングS、若葉Sを対象としたい。

ホープフルS
人気の中心になることが想定されるクロワデュノールがホープフルSからの直行で皐月賞参戦となる。
レースは前半が61.4とスローペースで進んでいたが、それを察知してか、後方にいたファウストラーゼンが一気に捲っていって先頭に。この影響で最後は消耗戦気味の流れとなった。
クロワデュノールはこの動きに惑わされることなく、外目の間に合う位置をキープ。4角では前を射程圏に入れており、正攻法で完勝となった。デビューから2戦は東京で上がり33秒台を使っていたが、中山向きの走りもできており奥深さがある。
上がり最速で2着に入ったのがジョバンニ。経済コースを通って直線では外に出しつつクロワデュノールを視界に入れてはいたが迫ることはできなかった。上がり最速は評価しつつ力差もあった感じ。
ファウストラーゼンは捲って先頭に立とうとしたところ、逃げていたジュンアサヒソラに抵抗されて、しばらく併走状態になる場面がありながら自身は3着に粘った。大味ながら強いレース内容で人気がなさすぎた。
ジュタも4着に頑張っているが、見せ場というものはなく、着順通りの評価としたい。

共同通信杯
東京コースで行われることもあり、皐月賞と適性面のリンクは弱いというイメージにはなるが、近5年において、エフフォーリア、ジオグリフ、ジャスティンミラノと、共同通信杯好走馬が3頭も皐月賞を制している。
今年の共同通信杯は入りが36.4で、全体の上がりが34.2。最後の1Fも加速している。東京コースらしいレースにはなった。
マスカレードボールは好スタートから前2頭を行かせて3番手から勝利。デビュー2戦目のアイビーSを上がり33.4で制した馬で、ホープフルSでは大敗したものの、アイビーSと同じ東京1800mで巻き返した形。現状の実績としては東京向きの印象を強める一戦となった。
2着カラマティアノスは直線で内を掬うレース運びを見せ、あわやのシーンがあった。2連勝で共同通信杯に参戦しており、その勢いが通じた。

 

弥生賞
稍重の発表の通り、やや時計のかかる馬場。
ファウストラーゼンがホープフルSと同じレース運び。今度は勝った。自身上がり37.2を要しながら踏ん張っており持続力があるが、こうしたレース運びとなったのはスタート後によれたりして後方にならざるを得なかった側面もある。
2人気ヴィンセンシオが逃げたが、ファウストラーゼンが捲っても、競り合うことなく2番手をキープ。デビューから連勝で弥生賞に臨んできた馬だが、それほど強さを感じさせる内容ではなかった。ただ結果として弥生賞においても、無難に好走することができたという感じで、相手なりに走れるところを見せた。
アロヒアリイは一旦最後方に後退しながら、そこから追い上げて3着。上がってくるときの勢いは強烈だったが、内から他馬に張られたのかコーナーで体が外に流れていた。それでも全体の上がりがかかったこともあってか、諦めずに伸び続けて優先出走権を獲得。
朝日杯FS2着の1人気ミュージアムマイルは、ヴィンセンシオを射程圏に入れながら捕らえられず、結局アロヒアリイにも差されており、弥生賞においてはスタミナ切れといった内容。距離が厳しかったか馬場が合わなかったか。

スプリングS
重馬場での開催で、スプリングSの勝ち時計も1.51.5というもの。好走するには道悪適性が要求されたと考えられる。
ピコチャンブラックは好位の外目を確保も、キングスコールが被せてくると、一気に先頭へ。ダノンセンチュリーと競り合いながらも、ピコチャンブラックだけが残る形となり、ホープフルS大敗から巻き返して重賞制覇となった。
1勝クラスも勝てていないフクノブルーレイクが2着に好走。道悪を味方にできたのではないかと思えるが、スプリングSではなかなかスムーズに動けていた。
キングスコールは早めに仕掛けたものの再度ピコチャンブラックに離されてしまい、あるいは休養明けの影響もあったのかもしれないが最後は脚が上がってしまった。
なおスプリングSは1~3人気が1勝馬というメンバー構成だった。ピコチャンブラックにしても、ホープフルSでは大敗していた馬で、メンバーレベルが低めのレースだったと思える。

若葉S
入りが36.1で全体の上がりが34.4の数値通り、先行した2頭が連対する結果となった。
ホープフルS2着の実績をもつジョバンニが順当に勝ったが、2着に入ったローランドバローズは1勝クラスも勝っていない馬。この馬が2着に好走できたことも含め、レースレベルとしては高くない印象となる。同時にジョバンニに関しても、若葉Sに限定すれば、皐月賞に向けて期待の膨らむようなパフォーマンスではなかったということになる。
なおローランドバローズは優先出走権を獲得したものの皐月賞回避とのこと。

何かしら参考になれば幸いです。最後までお読みいただきどうもありがとうございました。