2022有馬記念 輸送トラブルで関東馬が有利?

2022有馬記念の考察。
暮れの大一番だが、雪の影響で関西馬の到着が遅延した模様。輸送熱というものもあるくらいなので、馬によっては予想外の長時間輸送による状態面への影響がありそう。相対的に関東馬が有利になるだろうか。馬体を見て状態面を判断するスキルはないが、とはいえ関西馬で不自然なマイナス体重の馬がいたら、より疑った方がよいかもしれない。

【有馬記念】降雪通行止めで関西馬の到着遅延 ジェラルディーナとボッケリーニは足止め回避 - 競馬 : 日刊スポーツ   (2022/12/25検索)


タイトルホルダー

前年の菊花賞馬だが、今年に入って本格化したようで、天皇賞春、宝塚記念と完勝。天皇賞春ではスタミナを問われたのに対し、宝塚記念では2.09.7というコースレコードでの勝利。能力がなければできない芸当で、距離的にこの間に入る有馬記念では当然有力候補となる。
外枠に入ったが、メンバー構成から、おそらく逃げることになる。有馬記念ではダイワスカーレットやキタサンブラックの逃げ切り勝ちもあり、脚質的には悪い印象はない。
想定通りに逃げられればよいのだが、仮にそうならずに揉まれるような展開になった場合が不安材料か。だいぶ前の話ではあるがセントライト記念での惨敗もある。明確な同型がいないことは追い風ではあるが、一方で逃げると強いことは分かっているので、かつてタップダンスシチーがリズムを崩されたように、思わぬ追撃部隊が出現しないかという漠然とした不安も残る。
もう1つ気になるのは凱旋門賞の疲れが残っていないかという点。ここは考えてもなんともならないが、前年でいえばディープボンドとクロノジェネシスが問題なく好走。タイトルホルダーは逃げていた分、全力を使い果たしたとも思えるが、早めに諦めた感じにも見えるため、最大級の消耗というわけではなさそうか。

イクイノックス
3歳の代表格で前走は古馬相手の天皇賞秋で勝利。天皇賞秋で使った上がり32.7は強烈で、直線の長いコースにおける瞬発力勝負での強さを十分に示したといえる。
有馬記念では求められる適性が異なるため、天皇賞秋でのパフォーマンスは直結しないが、イクイノックスの場合は皐月賞2着があり、既に中山をこなしている点は加点材料と考えられる。コーナーで順位を上げてきており、中山向きの走りもできていた。一方、皐月賞では大外枠を引いてしまったものの、外差しが決まる馬場でもあったため、小回り適性の問われる程度としては低めだったかと思われる。伸び伸びと走れなかった場合が不安要素だが、真ん中あたりの枠なので、馬に合ったように乗ってくる期待はある。

ヴェラアズール
前走は上がり33.7の脚を繰り出しジャパンカップを勝利。芝に移ってからの快進撃でGⅠにまで手が届いた。
実績的に有馬記念でも評価すべき馬だが、気になるのはジャパンカップ勝利直後に陣営が中山は向かない趣旨の発言をしていたこと。
確かに京都大賞典、ジャパンカップとヴェラアズールが特に高いパフォーマンスを見せた舞台は、ともに直線の長いコース。京都大賞典でも上がり33.2を使っていた。中山適性に関しては不確定要素となるが、血統的にもこなしてきて不思議でなく、言うほど苦手なのだろうかと思うところはある。ただ、注意深く見ているからこそ感じることもあるだろうし、当初有馬記念出走に消極的だったのだとすると、調整過程に狂いが生じることも考えられる。
また、今回はジャパンカップを勝ったRムーア騎手からの乗り替わり。ジャパンカップで好走しただけでなく勝ちまで届いたのは鞍上の手腕によるところもある。引き続き評価が必要な1頭だが、輸送の件も含め、ジャパンカップ時以上の評価は与えられない感じ。

エフフォーリア
前年の有馬記念の覇者で、この1年はこの馬を中心に回るのかと思っていたが、春は大阪杯、宝塚記念と続けて結果を出すことができなかった。秋は天皇賞秋で復帰する予定がずれ込んで今回の有馬記念での復帰となる。宝塚記念の前からブリンカーを装着するなどしていることも含め、一連の経緯から状態面、精神面での不安を感じさせる。状態さえ戻っていれば、好走するだけの能力はあるはずだが、果たしてどうなるか。
年齢は違うが不振に陥りながら有馬記念で復活した馬としてはグラスワンダーが思い出される。ただし、グラスワンダーは着順こそ振るわなかったが、伝説の毎日王冠では早めに前に迫っていく前進気勢を見せており、追走に一杯一杯になっていた春のエフフォーリアとは印象が異なる。エフフォーリアもこの中間で状態面がどこまで上がってきているか不透明だが、レースの中でやる気が実証されていない点はマイナスとなる。
大阪杯、宝塚記念は入りが速めだったこともあり、まずはゆったりと入れる流れになることで、望みが出てくる感じだろうか。

ジェラルディーナ
関西馬ながらボッケリーニとともに輸送トラブルを免れた。運も大事。
前々走のオールカマーでのGⅡ勝利に続き、前走はエリザベス女王杯を勝利。2着に0.3秒差をつけたことは評価できるが、外差しの決まる馬場を味方につけた面はある。
エリザベス女王杯で外から差してきたように、小回りより直線の長いコースで末脚を発揮するイメージのある馬だが、前々走のオールカマーでは思った以上にうまく立ち回れていた。中山コースは案外こなせるかもしれない。
一方で、有馬記念ではメンバーレベルが上がるため格の面が課題となる。勢いに乗ってジェンティルドンナの領域に踏み込むことができるのか試金石の一戦となる。

 

ボルドグフーシュ
秋になって存在感を増してきた3歳馬で前走の菊花賞では2着に好走。皐月賞馬、ダービー馬がともに不在の菊花賞で、価値が低めと考えられるが、同じ状況だった菊花賞を勝ったワールドプレミアは同年の有馬記念でも3着に好走。勝ち切っていないとはいえボルドグフーシュも侮れないか。
なお、ボルドグフーシュは位置取りが後方になるきらいがあるが、菊花賞ではコーナーで差を詰めて前に取りついてくるレース運びを見せた。成長によりこうしたレース運びができるようになったのであれば有馬記念の中山でも楽しみがあるが、3000mの距離があったゆえにできたのであれば距離短縮がマイナスとなりうる。時計のかかる馬場になることで浮上の可能性が増してきそう。

ジャスティンパレス
ホープフルS2着の後、3歳春の皐月賞、ダービーではともに9着に終わったが、秋になって再び存在感を示すようになった。
前走の菊花賞では3着に好走。これに対しても一定の評価はできるが、前々走の神戸新聞杯では2着に0.6秒差をつける圧勝。このパフォーマンスからは2500mへの距離短縮がプラスに働くことが期待でき、穴馬として最初に注目したのがこのジャスティンパレスだった。乗り替わりも意欲が感じられる。
それだけに輸送トラブルに巻き込まれたのは痛いところ。オッズ、馬体重に注意しつつ扱いを再考したい。

ディープボンド
前年の有馬記念で本命にした馬。2年続けて同じ馬が本命では芸がない、などという無用な考えも浮かばないではないが、今年はより人気薄の立場。大外枠は率直に嫌な材料だが、有馬記念自体リピート好走も多いレースなので無視は危険か。
今年は天皇賞春、宝塚記念と好走している。天皇賞春では思ったほど走らなくて、逆に宝塚記念では思った以上に健闘した印象。適性が変わってきている可能性もあるが、年間ベースで安定感を欠き始めているのかもしれない。両レースともタイトルホルダーに完封されているのはどうかだが、宝塚記念時の状態にあれば、適性の後押しで好走の期待もできてよい。
この馬も関西馬で輸送トラブルを喰った組。ただし、長時間輸送の適性が低ければ、海外に2度も遠征しようなどとは考えないはずで、相対的に影響は小さいかもしれない。

ブレークアップ
前走はアルゼンチン共和国杯を勝利。斤量が54kだったことや不利を受けた馬がいることから、有馬記念に向けて高い評価は与えられないが、4歳という年齢もあり成長中の可能性もある。ゴールドアクターの匂いがしないでもないが、底を見せていない感や順調度では、あの域にはなさそうだろうか。
アルゼンチン共和国杯を勝ったが、戦前時点では東京の軽い馬場に適応できるかに不安があった。これを覆して勝ったわけだが、単純には見立てが間違っていたのだと考えられる。一方で、仮に見立て自体はそれほどズレていなかったのだとすると、有馬記念の舞台で一段上のパフォーマンスが引き出されることも考えられる。

ポタジェ
大阪杯を勝ったがGⅠ馬の中では相対的に劣るように思える。また2000mがベストで2500mはやや長い。それでも内枠を引いてうまく立ち回ることができれば、穴としての魅力はあってもよいかと思えたが、引いたのは外目の枠。好走へのハードルが上がった感がある。

 

 


今年の投稿はこれで最後の予定です。ちょうど1年前から始めて曲がりなりにも続けられたことはよかったかなと思います。
ただ、途中から始めたGoogleAdsenseでは満足な収益は得られず。馬券は紆余曲折ありつつも黒字収支で終えられそうですが、皆目見当違いな見解も多く、有用な情報を提供できなかったことが一因かもしれません。
具体的な案はありませんが、来年は読者の方に楽しんでもらえるコンテンツを発信できるよう考えてみたいと思っているところです。
今年1年どうもありがとうございました。